宇志比古神社。
鳴門市大麻町大谷山田に鎮座。
式内社 宇志比古神社の論社。
境内
社頭
社号標
鳥居と扁額
ここから神門まで300mくらい。
鳥居奥の狛犬
御旅所?
参道を進み神門手前の狛犬
ちなみに阿形の右斜め(池の手前)に宮司さんのお宅があります。
手水舎
神門
石段
拝殿手前の手水鉢
社殿
拝殿
中にはおみくじ等々あります。書置きの御朱印もあり。
扁額
拝殿の梁と桁
本殿
国指定重要文化財。三間社流造、銅板葺。徳島県下の神社建築本殿として最古例らしく、1599年建立と考えられているそうです。
平成12年(2000)12月4日国指定
所在地:鳴門市大麻町大谷字山田66
宇志比古神社は、かつて当地に石清水八幡宮の荘園があったので、八幡神が勧請されたと伝わる。そのため、江戸時代までは、八幡宮と称していた。大谷村をはじめ周辺13か村の氏神であった。明治3年に宇志比古神社と改め今に至る。
本殿は三間社流造であるが、全面の縁が庇柱まで張り出した変則的な形式としている。現在の木階は後の姿で、建築当初は、庇中央間に登高欄付の木階が取り付いていた。身舎梁間は二間で、内部を前後に内外陣に分け、境の各間に板扉を構え、内陣には三基の宮殿を安置する。身舎正面は、三間とも格子戸とし外陣を開放的な空間としている。庇柱は角を落とした面取角柱で、組物の肘木及び桁も同様に施し、中世末期から江戸初期を示している。また、部材表面には槍鉋や丸刃の手斧を使用した痕跡が認められる。
棟札から本殿は、慶長4(1599)年に建てられ、寛永12(1635)年と宝永元(1704)年に修理されたことがわかる。建築年代が明確な徳島県下最古の神社建築として貴重な建造物である。
境内社等
石祠
神具庫?
由緒
創建時期は不詳。
この一帯、堀江庄は石清水八幡宮の荘園だったため、その中心地である現社地に別宮として八幡宮が勧請されたと考えられるようです。
延喜式神名帳の「阿波国板野郡 宇志比古神社」に当社をあてる説があります。
天正年間(1573~92)に長曽我部元親の乱入により社殿、古記録、社宝を焼失し、その後再興。
神職の伝えによれば、当社は明治3年まで八幡神社と称していましたが、同年9月3日突如として民政局より「大谷八幡神社は向後宇志比古神社として奉祀候事」との御奉書を賜り現社名に改称したとのこと。
『明治神社誌料』によれば、「当社もと惣ヵ淵と字する所に在りて、八坂神社と称せり。其地は凹地なるを以って明治十年十二月現地に遷し祀るといへり」とあります。
元より八幡宮に宇志比古神が合祀されており、明治に主神が宇志比古神に変わったのか、あるいは惣ヵ淵にあった八坂神社が宇志比古神社に比定され、明治10年に八幡宮に合祀の上社名を宇志比古神社としたのか。
また、『明治神社誌料』は明治11年郷社列格としますが、『徳島県神社誌』は明治5年郷社列格とします。
神職の伝え及び『徳島県神社誌』と、『明治神社誌料』の内容が矛盾しており、明治期当社がどのような経緯で宇志比古神社となったのかが不明です。『日本歴史地名大系』も前者と同じ由緒を記すので、『明治神社誌料』に誤りがあるように思えるのですが…(惣ヶ渕の字名は現存し、そのやや西に八坂神社があるため、混同したように思える)
祭神は宇志比古尊、応神天皇、仁徳天皇、神功皇后。
宇志比古尊については他にみえず、詳細不明。
wikipediaの当社項では宇志比古尊=丹波道主命としています(神名にリンクを貼っている)。
下記のサイトにてこの説が提示されているので、そちらが出典なのかと思われますが、あるいは他にも提唱している資料等があるのかもしれません。
丹波道主命は日本書紀にみえる四道将軍の一人で、古事記には「丹波比古多多須美知能宇斯王(たにはひこたたすみちのうしのみこ)」と記されています(古事記では丹波に派遣されたのは父の日子坐王)。
『神名帳考証』は百済宇志命としますが、他にみえない神名で詳細不明。
さらに「日本紀云、斎主神号斎之大人、古事記云大山咋神、亦名山末大主神、旧事紀云、十五世物部大人連公、敏達紀云、船史辰爾弟牛、賜姓為津史、姓氏録云、蕃別、塩君孫宇志、同云、右京諸蕃百済、中科宿祢、菅野朝臣同祖、塩君孫宇志之後也、三代実録云、貞観七年十二月九日、阿波国板野郡人百済峯子女、一産三男云云」。
全て「うし」の音からの連想でしょうか。
『阿波国式社略考』も(当社を論社としてはいませんが)「ウシヒコ、オシヒト、音近シ」として天忍人命を挙げています。
御朱印
御朱印はあります。
先述の通り、狛犬の手前、東林院の道路挟んで向かいに宮司さん宅があり、そちらで拝受可。
宮司さんはかなり高齢の女性の方でしたが、毎日社殿まで階段をのぼりお勤めされてるとのこと。
ご対応いただいたのはご家族の方。お仕事の関係で不在のことも多く、アポなしで御朱印を書いていただけたのは運がよかったようです。
なおご不在の場合でも、先述の通り拝殿に書置きが用意されています。
アクセス
阿波大谷駅の西300mほど、県道12号沿いに参道入口(位置)があります。
特に駐車場の案内はありません。神門脇のスペースか、すぐ手前にある東林院の駐車場を使わせていただくのがよいかと。
県道12号沿いの鳥居の脇、堀江郵便局の向かいにも駐車場的なスペースがあるのですが当社の駐車場かは不明。
神社概要
社名 | 宇志比古神社(うしひこじんじゃ) | |
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通称 | 大谷の八幡さん | |
旧称 | 八幡神社 | |
住所 | 徳島県鳴門市大麻町大谷字山田66 | |
祭神 | 宇志比古尊 応神天皇 仁徳天皇 神功皇后 | 現祭神 |
百済宇志命、他多数の説 | 『神名帳考証』 | |
社格等 | 式内社 阿波国板野郡 宇志比古神社 旧郷社 | |
札所等 | – | |
御朱印 | あり(神社手前宮司宅で拝受可、不在の場合拝殿に書置きあり) | |
御朱印帳 | – | |
駐車場 | 不明(駐車可能なスペースはあり) | |
公式Webサイト | – | |
備考 | 本殿は重要文化財 |
参考文献
- 「大谷村」, 『日本歴史地名大系』(データベース「JapanKnowledge」)
- 「宇志比古神社」, 神社本庁教学研究所研究室編『平成「祭」データ(CD-ROM)』全国神社祭祀祭礼総合調査本庁委員会, 1995
- 式内社研究会編『式内社調査報告 第二十三巻 南海道』皇學館大学出版部, 1987
- 徳島県神社庁教化委員会編『改訂 徳島県神社誌』徳島県神社庁, 2019
- 明治神社誌料編纂所編『府県郷社明治神社誌料 下巻』明治神社誌料編纂所, 1912(国会図書館デジタルコレクション 255コマ)