逆松社。
和歌山市鳴神に鎮座。
式内社 香都知神社の旧鎮座地に建つ小祠。
境内・社殿
境内
住宅地の一角にあります。
逆松社の祠
扁額
祠
祀られている石?
由緒
創建時期は不詳。
延喜式神名帳に見える「紀伊国名草郡 香都知神社」はかつて当地に鎮座していたといわれます。
天正13年(1585)、兵乱により破壊され断絶。
『(紀伊)国造家舊記』によれば、紀伊国造紀忠光が寛永年中(1624~1645)に石社を建て、その後徳川頼宣が鳴神社参詣の際(庚寅とあるので慶安3年か)に命を下し石社を造替遷宮したとされます。
また『紀伊続風土記』には「鳴神社の東二町許にあり社今廢して石を建て「香都知神慶安庚寅」の八字を雕む、社地或は御船松の芝といへり」とあります。
石社(石碑?)の建立や造替遷宮がどんな順序であったのか上記からはいまいち判じかねますが、一旦断絶した当社再興の動きが慶安頃にあったのは確かなようです。石碑が現在も祠の中に納められているのかは不明。
明治6年村社列格。
明治40年、堅真音神社と合祀の形で鳴神社境内に遷座。
合祀後も当地に祠が存続し現在に至るのか、あるいは断絶後に勧請再興したのかは不明。『特選神名牒』(大正末期刊行)に「今小祠ありて坂松明神と云ふ」とあるため、おそらく前者ではないかと推測します。
紀伊続風土記 香都知神
鳴神社の東二町許にあり社今廃して石を建て香都知神慶安庚寅の八字を彫む社地或は御船の芝といへり北の方一町許御供井あり
御朱印
御朱印の有無は不明。
アクセス
和歌山市の県庁前交差点(位置、国道24、26、42号の終点)から東に向かいます。
約3.7km先、花山交差点(位置)で右手前の県道143号に入り、500mほど先(位置)で右手に下っていく道へ。
突き当りを右に折れて100mほどで神社…なのですが駐車場はありません。
この辺り住宅地で非常に道が狭く路駐などできたものではないので、離れた場所に停めて歩いてくるのをおすすめします。鳴神社の駐車場をお借りするのが距離的にベストかと。
神社概要
社名 | 逆松社(さかまつしゃ?) |
---|---|
通称 | – |
旧称 | – |
住所 | 和歌山県和歌山市鳴神 |
祭神 | 軻遇突智命? |
社格等 | 式内社 紀伊国名草郡 香都知神社 旧村社(旧香都知神社の社格) |
札所等 | – |
御朱印 | 不明 |
御朱印帳 | – |
駐車場 | なし |
公式Webサイト | – |
備考 | – |
参考文献
- 「香都知神社跡」, 『日本歴史地名大系』(データベース「JapanKnowledge」)
- 仁井田好古『紀伊続風土記 第1輯』臨川書店, 1990