石畳神社。
総社市秦、高梁川沿いに鎮座。
式内社 石疊神社に比定される神社。
境内
鳥居
社号標
社殿手前に辺津宮(石畳神社)の碑
これと対応するものなのか、正木山の麻佐岐神社の社殿前には奥津宮の碑があります。
社殿
拝殿
後ろは幣殿なのでしょうか(本殿はないそうなので)
御神体(磐座)
拝殿左手から上っていく山道があります
道の脇にある石仏
少し上ると分岐があります
御神体の表示がある右手の道に入ります。
まっすぐ上るとパノラマ展望台があるみたいです。
すぐに木の間から巨岩が見えます
「危険」の表示がでていますが、防護柵などないので本当に危険です。
御神体の磐座(大岩塊、石柱)
小さな鳥居
豪渓秦橋
この橋の上(写真でいうと左寄りの方)から、御神体の岩全体が見えるようです。
神社前から川沿いに西へ進み、トンネルを潜ると(このトンネルはなんと御神体の岩の下部を貫いている…)橋に上る階段があります。
トンネルは狭く見通しも悪いので車に注意。また橋の上は片側だけ歩道がありますが、御神体があるのは反対側になるのでよく見ようとして車道に出ないように注意。
対岸の河川敷から見たほうがいいかも…
由緒
一、鎮座地 総社市秦三九九五番地
一、創建 不詳(備中国十八座の一社)
一、社格 式内社 村社
一、御祭神 磐座経津主神
一、御神体 大岩塊(高さ約六〇メートルの石柱・磐座)
一、祈願 水運・灌漑
一、祭日 毎年七月第一日曜日
一、由緒
祭神の経津主神は日本神話に登場する神である。磐座信仰の秦氏との関係も注目される。また一説には、神武天皇に与えた刀である布都御魂を神格化したものであるとも言われている。
石畳神社は、古来より本殿を設けず高梁川が大きく曲がる淵に聳える約六十メートルの大岩塊(石柱・磐座)を霊代(神霊が招き寄せられて乗り移るもの)としてお祀りをしている。
万葉集に「石畳さかしき山と知りながら我は恋しく友ならなくに…」と詠われている。
高梁川は古代の人々にとって、水運と灌漑の両面において極めて大切なものであったに違いなく、その高梁川は暴れ川で洪水による災害が多く川の氾濫を鎮めるために祭祀されたのではないかと思われる。
拝殿は御神体の大岩塊(石柱・磐座)の真下にあったが、昭和三十年旧「豪渓秦橋」を架ける時現在の所に移転され、当時は屋台も出て参拝者も多く盛大にお祀りが行われていた。また、橋のない頃は、豪渓駅へは渡し舟で行き、また福谷地区との往来はご神体を取り巻くように、川の中に造った道を歩いていたが、昭和二〇年の大洪水により河川道がなくなり、昭和二十二年頃にご神体の磐座にトンネルを造り、交通の便が一段と良くなった。
創建時期は不詳。由緒不詳。
延喜式神名帳にみえる「備中国下道郡 石疊神社」に比定されていますが、根拠は不明。
万葉集にみえる「石畳さかしき山と知りながら我は恋しく友ならなくに」は当社の御神体を指すとも言われるようです。
当社から南西側へ山を上っていくと、茶臼嶽古墳や一丁𡉕古墳群といった古墳がありますが、関係性は不明。
嘉永年間(1848~53)成立といわれる『備中誌』に「荒平山の内有高サ十六丈余今廃して社なし数十丈の石壁を神体とす」として当国十八座の一としており、『備中巡礼略記』『吉備之志多道』も同様。
明治40年村社列格。
拝殿は元々御神体の真下にあったのが、昭和30年に豪渓秦橋(旧橋。現在の豪渓秦橋より少し東、御神体のすぐ横にあった)を架ける際に現在地に遷されたとのこと。
祭神は経津主神。
御朱印
御朱印はあるようです。
ネットに画像があがっていました。
ただ当社は通常無人と思われるので、宮司さんに要連絡(岡山県神社庁のページに電話とメールアドレスが載っています)。
アクセス
総社駅のあたりから国道180号を北上します。
豪渓駅前を過ぎた先の交差点(位置)で南(左)に折れ、豪渓秦橋を渡ります。
橋を渡りトンネルを抜けた先の交差点(位置)で左折。
100mも行くと正面やや左に鳥居が見えます。道が3つに分岐しますが、鳥居前まで行ける真ん中の道へ。
鳥居右手、道がガードレールで封鎖されているので、そこに駐車できます(封鎖されているのは旧豪渓秦橋があった頃の旧道という)。
神社概要
社名 | 石畳神社(いしだたみじんじゃ) |
---|---|
通称 | – |
旧称 | – |
住所 | 岡山県総社市秦3995 |
祭神 | 経津主神 |
社格等 | 式内社 備中国下道郡 石疊神社 旧村社 |
札所等 | – |
御朱印 | 不明 |
御朱印帳 | – |
駐車場 | なし |
公式Webサイト | – |
備考 | 社殿は昭和30年までは御神体の大岩塊の真下にあった |
参考文献
- 「石畳神社」, 『日本歴史地名大系』(データベース「JapanKnowledge」)
- 「石畳神社」, 神社本庁教学研究所研究室編『平成「祭」データ(CD-ROM)』全国神社祭祀祭礼総合調査本庁委員会, 1995
- 岡山県神社庁編『岡山県神社誌』岡山県神社庁, 1981
- 式内社研究会編『式内社調査報告 第二十二巻 山陽道』皇學館大学出版部, 1980