自凝神社/上立神岩(南あわじ市沼島)

自凝神社。

淡路島の南に浮かぶ小さな島、沼島に鎮座。

おのころさんと呼ばれる神体山中に建つ、国生み神話ゆかりの神社。

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境内

参道入口

 

石段

 

社号標

 

社殿下の石段

 

瑞玉姫命の碑

瑞玉姫命という神は聞いたことがありませんでしたが、偲フ花さんの「沼島:自凝神社」の記事によると、『続・高部の文化財』(国会図書館での書名は『高部の文化財 続』)の守矢家一子口伝による系図に記載があるようです(wikipediaによると『諏訪史料叢書.巻28』所収の「神長守矢氏系譜」に記述があるという)。

美都多麻比売命は建御名方の子で、片倉辺命の子児玉彦命との間に八櫛神を生み、八櫛神は守矢氏の五代目とされるとのこと。

 

 

 

鳥居

 

狛犬

 

手水鉢

社殿

拝殿

 

本殿

珍しい形式です。横から見た感じだと、これは覆屋のようにも思えます。

伊弉諾・伊弉冊二神の像

境内裏手に伊弉諾命・伊弉冊命の像が建っています

 

像の下にある石は沼島をイメージしたものでしょうか

由緒

由緒碑

日本神話によると「天地の初発のときイザナギ・イザナミの二神が天浮橋に立ちて天瓊矛をもって滄海をこおろこおろと探りて引げ上げ給う時、矛の先より滴り落ちる潮自ら凝りて成りし島、これをおのころ島と言う」これが国生みの島おのころ島である

おのころ山は御神体山であり寛政年間(一七八九~一八〇一)に小祠を建て毎年旧九月十五日に祭礼が行なわれてきた。以来、現在は婦人会により祭礼が続けられている。

大正元年(一九一二)岩田なつ氏の発願奔走により、大正十二年(一九二三)に神殿が完成。その後、島内外の人々の信仰を厚くし昭和十二年(一九三七)に拝殿を建立される。

昭和五十二年(一九七七)神殿の大修理するも拝殿の老朽化が進んでいた。

平成十四年(二〇〇二)四月、島民・おのころ会員・全国信者の浄財によって拝殿と石段の修理がなされ、同十二月にイザナギ・イザナミの二神像が建立された。

創建時期は不詳。

当社の鎮座するおのころ山は神体山で、昔は山裾の海岸「水の浦」から礼拝していたといいます。

(水の浦とは、「沼島総合観光案内所 よしじん」のサイトに掲載のパンフレットを見ると、自凝神社参道入口あたりの海岸のようです)

神奈備にようこそさんによると、沼島浦を挟んで鎮座する神明神社(位置)から勧請されたと言われているようです。

 

寛政年間(1789~1801)に小祠が建てられ、旧9月15日に祭礼が行われていましたが、後に衰微。

大正時代に沼島出身の篤志家の方が浄財を集め、大正12年に社殿を再興。

昭和12年には拝殿も建立。

平成14年に拝殿・石段が修理され、イザナギ・イザナミ二神の像が建立されています。

 

祭神は伊弉諾命、伊弉冊命の二神だと思われますが、兵庫県神社庁のサイトでは伊弉冊命が配祀神とされています。

また神奈備にようこそさんでは天照皇大神も祭神としています。

『平成祭データ』には祭神の記載がなく、『兵庫県神社誌』には無格社のため記載自体がないため、詳細不明。

御朱印

御朱印はあります。

沼島八幡神社で拝受可。

 

上立神岩

沼島の南東海上に上立神岩と呼ばれる巨岩があります。

伊弉諾伊弉冊二神が周囲をまわり、夫婦の契りを結んだという「天の御柱」はこの岩だともいわれています。

 

沼島中学校の前を通って登っていきます

この道以外にも、自凝神社裏手や沼島灯台からも行くことができます。ただ、時期によってはそれらの山道は草や蜘蛛の巣で歩きづらいこともあります。昔、暖かい時期に東側から山ノ大神社の前を通って上立神岩まで歩いたのですが、スズメバチがいて肝を冷やしました。

 

上立神岩手前の広場

左手に登ると上から、右手に降りると横から岩を見ることができます。

 

上立神岩(上から)

 

上立神岩(横から)

 

上立神岩

「矛先」のような形をした沼島のシンボルの岩です。

高さ三〇mで国生み神話の「天の御柱」とも言われております。

主として緑泥片岩からなる巨岩で海鵜(うみう)の休息場となっています。

和漢三才図会(わかんさんさいずえ)では、竜宮城伝説の表門ともいわれ、国生み神話の舞台となっています。

 

上立神岩の近くにあるアミダバエ。ハエ・バエとは岩礁を指すようです。

アミダバエの南にある平バエは国生み神話の八尋殿だともいわれています(写真左の見切れている岩だと思います…知らなかったので撮り損ね)。

また、少し南西に行ったところに下立神岩という巨岩があります。かつては上立神岩よりも高く、中程に穴が空いていたそうですが、安政大地震で折れ、さらに昭和9年の室戸台風で倒壊し現在は根元だけが残っています。上立神岩が男根、下立神岩が女陰で男女一対のようです。

船の時間の都合で下立神岩まではいけませんでした。

 

淡路島から見た沼島

アクセス

沼島までは淡路の土生港から船で渡ります。

沼島港から南西に海岸沿いにしばらく歩くと、左手に小屋があり、手前に案内板が建っています(確かこの辺)。

 

案内板

この左手に冒頭の写真の石段があります。うっかりすると見落とすので注意。5分くらい登ると神社です。

神社概要

社名自凝神社(おのころじんじゃ)
通称
旧称
住所兵庫県南あわじ市沼島73
祭神

伊弉諾命

伊弉冊命

天照皇大神(?)

社格等旧無格社
札所等
御朱印あり
御朱印帳
駐車場なし
公式Webサイト
備考

参考文献

  • 「自凝神社」, 神社本庁教学研究所研究室編『平成「祭」データ(CD-ROM)』全国神社祭祀祭礼総合調査本庁委員会, 1995