南湖神社(白河市菅生舘)

南湖神社。

白河市の南湖公園内、南湖の北側に鎮座。

白河藩主で、幕府老中も務めた松平定信を祀る神社。

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境内

社号標

 

楽翁公像

楽翁とは松平定信が隠居後に称した号。

 

鳥居

 

扁額

参拝日が12/30だったので、こんなパネルが掛けてありました。

 

手水舎

 

楽翁桜(御神木)

定信本人によって植えられたと伝えられ、樹齢は200年と推定されています。時期が時期なのでこの様子ですが、春には南湖湖畔の約800本の桜とともに咲き誇ります。特に楽翁桜についてはライトアップもされるそうです。

 

参道

 

狛犬

 

参道脇の臥牛石なる石

社殿

拝殿

 

扁額には「里仁為美」の文字

「里仁為美」とは論語に見える言葉ですが、難解で複数の解釈があるそうです。訓読としては「里は仁なるを美しと為す」や「仁に里るを美と為す」といったものがあるようで。解釈は…説明できるほど詳しくないので、気になる方はお調べください。

 

本殿

境内社

南湖稲荷神社

 

お狐さん

 

石祠群

 

宝物館

震災で損壊し拝観できなくなっていましたが、現在は拝観可能となったようです。私の参拝時にはどうだったかは不明(夕方でしかも年末だったことから閉館しているだろうと思い確認しなかったため)。

松風亭蘿月庵

松風亭蘿月庵

松平定信公も来遊されたという茶室。毎月お茶会が催されており一般の方も参加できるそう。普段も300円で内部拝観できます。宝物館と同様、夕方+年末なので確認せず、外から撮ったのみ。

 

福島県指定重要文化財 松風亭蘿月庵 一棟

附「蘿月」の書がある水盥 一個

「垂桜」の書がある掛軸 一幅

平成六年三月三十一日指定

所在地 白河市字菅生舘二番地 南湖神社境内

所有者 南湖神社

形状 桁行三間余(五.四六メートル)

梁間一間半余(二.九二メートル)

入母屋造、茅葺き

寛政年間(一七九五頃)、白河藩士三輪権右衛門が、茶人であった父仙鼠のために府内九番町の別邸内に建立させたと伝えられている茶室です。藩主松平定信も時折訪れたとも伝えられており、その筆による掛軸の「垂桜」や水盥の「蘿月」などの書も残されております。

文政六年(一八二三)松平氏の桑名への国替えに際して常磐惟親に譲渡されて、その屋敷内に移され、明治の初めこの屋敷が西白河郡役所の敷地に転用された後もその一隅に存続しましたが、大正十二年(一九二三)五月に南湖神社に寄贈され、現在地に再度移築されたものです。

二畳台目の使用などいわゆる道安好みを基調としている茶室で、由緒が明確で、原形をよく保っており、東北では数少ない近世茶室の一つです。

南湖

南湖

神社の南に広がる人造湖。元々当地は大沼と呼ばれる湿地帯でしたが、松平定信が大沼の浚渫と築堤の大工事を行い、庭園の要素を取り入れ享和元年(1801)に築造されました。

その名は李白の詩の一節「南湖秋水夜無煙」から、また小峰城の南にある湖であることから。

定信は、「士民共楽」の理念のもと身分の差を越えて誰でも憩える場所として南湖を開放しました。そういった経緯から南湖は「日本最古の公園」といわれています。

 

南湖十六勝十七景

関の湖

共楽亭

鏡の山

真萩が浦

錦の岡

松虫の原

常盤清水

松風の里

月待山

月見浦

下根の島

みかげの島

千世の堤

小鹿山

有明崎

八聲村

千代松原

この案内には十六勝十七景と書いてありますが、実際は十七勝十六景のようです。

 

神社の西隣には翠楽園という庭園があります

時間が遅かったので入ってはいませんが(冬季は開園時間16:30まで)、入口にあった松平定信公像だけ撮影。

由緒

初代宮司、中目瑞男の首唱で、松平定信公の遺徳を敬慕する白河市民および各地の崇敬者、そして当時財界の巨頭であった渋沢栄一の尽力により、大正9年(1920)5月10日に神社設立が認可。

大正11年(1922)6月11日に竣工・御鎮座大祭が執行。

 

祭神の松平定信公は、白河藩第3代藩主で、江戸幕府8代将軍徳川吉宗の孫にあたる人物。

寛政の改革を行ったことで有名です。

 

天明の大飢饉の際に自ら率先して倹約を重んじ、上方より食糧を緊急輸送して領内の窮民を救済。領民から餓死者を出さなかったと伝えられます。また、備荒貯蓄や人口の増加、殖産興業を促すなど、藩財政の立て直しや領民生活の安定化を図り難局を乗り越えます。

この手腕を評価されたこと等から推挙され、定信は幕府の老中となります。

前任の田沼意次の政治を批判し、寛政の改革を行いました。これは享保の改革を手本とし、緊縮財政、風紀の刷新をはかり、文武両道を奨励したもの。

当初は「田や沼やよごれた御世を改めて清くぞすめる白河の水」という歌が流行るなど評価されました。

が、後には「白河の清きに魚も住みかねてもとの濁りの田沼恋しき」と詠まれたように、厳しい緊縮政治や思想統制に不満が集まったこと等から、定信はわずか6年で老中を免じられてしまいます。

 

その後は再び白河藩政に専念。

文化9年(1812)に隠居後は楽翁を号し風雅な生活を送ったようです。

御朱印

御朱印はあります。

社務所で拝受可。

当社にはオリジナル御朱印帳があります。

こちらを拝受した場合、限定印の押印及び特製しおりがいただけます。

 

御朱印帳

 

特製しおり

アクセス

南湖公園の駐車場が利用可能です。

 

この菅生館駐車場(位置)が一番きれいそう?

他に南湖周りに2つあります

神社概要

社名南湖神社(なんこじんじゃ)
通称
旧称
住所福島県白河市菅生館2
祭神松平定信公(守国大明神)
社格等旧県社
札所等
御朱印あり
御朱印帳あり
駐車場あり
公式Webサイトhttp://nankojinja.server-shared.com
備考

参考文献

  • 「南湖公園」, 『日本歴史地名大系』(データベース「JapanKnowledge」)
  • 「南湖神社」, 神社本庁教学研究所研究室編『平成「祭」データ(CD-ROM)』全国神社祭祀祭礼総合調査本庁委員会, 1995