宗形神社(岡山市北区大窪)

宗形神社。

岡山市北区大窪に鎮座。

式内社 宗形神社に比定される神社。

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境内

鳥居

 

石段

 

狛犬

 

境内

 

手水舎

社殿

拝殿

 

本殿

境内社等

境内社2社

1枚目が疫神社、2枚目が祖霊社(たぶん…)。

古墳

宗形神社古墳

社殿後方にある円墳です。

案内板によれば1997年の発見とされますが、それ以前から古墳だと思われていたようで、『式内社調査報告』『日本の神々』に「本殿裏手に円墳と思われる小丘がある」との記述があります。昭和12年の本殿改築時に玉類・剣類が出土したそうで、それが古墳の関係物である可能性も。

 

宗形神社古墳

一九九七年七月に新たに発見された古墳で、この時に応急の発掘調査を実施しました。

古墳の高まりは、現況で直径約一五メートル、高さ二メートルの円墳です。頂部の中央にある埋葬施設は、丁寧に施工した板状の花崗岩を組立てた箱式石棺と呼ばれる構造で、内面には赤い顔料が塗られています。長さ一九〇センチ、幅五〇センチ、高さ四〇センチの棺内には、頭の方向を東西に違えて男女二体の人骨が残っており、鉄製の斧・鍬・ナイフ(刀子)、碧玉やガラスの玉、青銅製の鏡が副葬されていました。鏡は本来の大きさが二十数センチもある立派なものですが、古い時代に割れ、破片の状態で布に包んで置かれていました。

この古墳は西暦四世紀後半(今から一六〇〇年余り昔)に築かれたもので、眼下に見渡せる大窪地区一帯に根を下ろした中小の首長の墓とみてよいでしょう。

案内板がだいぶ傷んでいましたが、2021年現在は新しいものに変わっているようです。

由緒

式内社 宗形神社

大化の改新(六四五)によって、国・郡の制が布かれる以前からあった神社のためか、全国でも希な字に、宗形と神領を示す聖なる山に鎮座する。

非常に古く、発祥の年号はさだかではないが、

御祭神は皇祖、天照大神の御子神 田心姫命 湍津姫命 市杵島姫命の三神が「汝三神、宜しく、道中に降居して、天孫を助け奉り、天孫に祭かれよ」の御神勅に則って、天孫降臨の後、古代の山陽道での交通の要所で、馬屋之郷と呼ばれた地域の中心大窪村に、航海の守護神として有名な福岡県の大社「道主貴」(国民のあらゆる道をお導きになる貴い神様)といわれる宗像神社を神勧請されたものと想われる。

従って延喜五年(九〇五)延喜式(神名帳)に記載されている式内社で「神上金剛寺本には正四位下、宗形大明神」とあり、朝廷より奉幣にあずかり、神祇官により祭祀がおこなわれていた格式の高い神社であった。

近年明治になっても、明治四年十月郷社に列格、明治三十九年勅令第九十六号第一条第二項により、神饌幣帛料供進神社に指定された神社である。

神殿は昭和十二年(一九三七)改築、昭和三十三年、昭和五十八年、平成十六年に改修修理されたもので、境内の摂社には相殿とされている素盛嗚命を祭神とする疫神社と末社に祖霊社がある。

創建時期は不詳。

筑前国の宗像神社(宗像大社)を勧請したと伝えられています。

『式内社調査報告』は、往古は児島湾の入江が一宮の南辺りまで入り込み、そこに吉備国の津が存在した可能性があり、よって航海の神が勧請されたのかもしれないとします。

延喜式神名帳にみえる「備前国津高郡 宗形神社」は当社に比定されています。

 

その後の由緒は不詳。

『備前国神名帳』には「宗形神社」あるいは「正四位下宗形大明神」とあります。

 

明治4年郷社列格。

 

祭神は宗像大社と同じく宗像三女神。

ただ『吉備温故秘録』は「所祭之神三座」としつつ、「按ずるに、当社の神一座と、延喜式にあれば、田心姫命一座ならん」ともしています。

『平成祭データ』では素盞嗚命も主神となっていますが、境内由緒書を読む限りでは相殿神のようです。

御朱印

御朱印の有無は不明。

アクセス

岡山駅の北から国道180号を西に向かい、中川橋交差点(位置)で右折し県道61号へ。

2kmほど先の五差路(位置)を右折し県道239号へ。150mほど先、左に入ると鳥居があります。

駐車場はありません。境内北側に車道があり車で登れるようですが…

神社概要

社名宗形神社(むなかたじんじゃ)
通称
旧称

宗形大明神

宗像神社

住所岡山県岡山市北区大窪193
祭神

多紀理比売命

市杵島比売命

多岐津比売命

素盞嗚命(相殿?)

社格等

式内社 備前国津高郡 宗形神社

旧郷社

札所等
御朱印不明
御朱印帳
駐車場なし
公式Webサイト
備考

参考文献

  • 「大窪村」, 『日本歴史地名大系』(データベース「JapanKnowledge」)
  • 「宗形神社」, 神社本庁教学研究所研究室編『平成「祭」データ(CD-ROM)』全国神社祭祀祭礼総合調査本庁委員会, 1995
  • 大沢惟貞編『吉備温故秘録』(吉備群書集成刊行会編『吉備群書集成 第七輯』吉備群書集成刊行会, 1931.所収)(国会図書館デジタルコレクション 236コマ
  • 岡山県神社庁編『岡山県神社誌』岡山県神社庁, 1981
  • 式内社研究会編『式内社調査報告 第二十二巻 山陽道』皇學館大学出版部, 1980
  • 谷川健一編『日本の神々 神社と聖地 第二巻 山陽・四国』白水社, 1984
  • 明治神社誌料編纂所編『府県郷社明治神社誌料 下巻』明治神社誌料編纂所, 1912(国会図書館デジタルコレクション 28コマ