太平山三吉神社〔里宮〕(秋田市広面字赤沼)

太平山三吉神社里宮。

秋田駅の北東約1.6kmの場所に鎮座。

三吉神社・太平山講・三吉講の総本宮で、神社本庁の別表神社。

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境内

表参道側鳥居

 

扁額

 

社号標

 

狛犬

 

手水舎

 

狛犬2

 

神武館三吉道場入口側の狛犬

 

神武館三吉道場側の鳥居

 

刀?

社殿

社殿

拝殿本殿は一体の様子。授与所と社務所も一体化しています。

 

扁額

 

向拝の木鼻

境内社

宮比神社

 

赤沼稲荷神社

 

赤沼唐松神社

 

雪見稲荷神社

 

小さな太平山の碑とお狐さん

 

太平山遥拝所

 

中央の山が太平山かと思ったけれど、わかりません

 

神楽殿

 

神楽殿には鳴雷大神が祀られているようです

由緒

由緒板

太平山三吉神社総本宮

少彦名大神

御祭神 大己貴大神

三吉霊神

鎮座地 奥宮 太平山山頂(標高一一七一m・秋田市太平山谷)

里宮 秋田市広面字赤沼三の二

おもな祭事

◆梵天祭 一月十七日 ◆どんと祭 一月最終日曜日 ◆春季例祭 五月七・八日

◆夏越大祓 六月三十日 ◆開山祭 七月十七日 ◆講社大祭 八月八日

◆閉山祭 九月十七日 ◆秋季例祭 十月十六・十七日 ◆師走大祓 十二月三十一日

■月次祭 毎月八日・十七日

 

由緒

霊峰太平山に祀る当社は天武天皇の白鳳二年(六七三年)五月、役行者小角の創建と伝えられ、桓武天皇延暦二十年(八〇一年)征夷大将軍坂上田村麿が東夷征伐の際戦勝を祈願して堂宇を建立、奉納された鏑は神宝として今に伝えられています。また戊辰の役の際には奥羽鎮撫総督九條道孝卿里宮に御祈願されるなど、古くより勝利成功・事業繁栄の霊験高い守護神として崇敬を受けております。秋田藩佐竹累代の藩主も崇敬篤く第八代曙山義敦公は風光明媚な赤沼の地を賞し雪見御殿を築かれました。

北海道から福島までの各地、またブラジルに祀られる三吉神社・太平山講・三吉講の総本宮として【みよしさん】【さんきちさん】の愛称で呼ばれ、全国より参詣者が訪れています。

平成十九年十月には伊勢の神宮祭主池田厚子様の御参拝を仰ぎました。

 

奥宮 太平山頂上鎮座(標高一一七一m)

太平山は秋田県のほぼ中央に位置し、古来より薬師の峰・修験の山として崇められ、今も県内外より多くの登拝者を迎えています。

七月十七日の開山祭に御神体を里宮よりお遷しし、九月十七日閉山祭までの間神職が籠もり祈願を行います。天然の秋田杉やブナ林、また湧き水など手付かずの自然が残る山は清浄さに満ち、御来光をはじめ男鹿半島・鳥海山・岩木山など広大な絶景が一望できます。山頂までは旭又・野田・木曽石・丸舞等の登山道があります。

〇参籠所(山小屋)六月初旬から九月下旬まで開所(三十名宿泊可能)

 

里宮

かつて女人禁制の山は道も非常に険しく、容易に参詣が出来なかったため、太平山の秀影を東方に仰ぐ秋田藩主佐竹公の雪見御殿跡の赤沼の地を里宮としました。現在の社殿は昭和五十二年改築されたもので、屋根が太平山の姿を模した流造となっています。

【みよし梵天祭】

梵天とは神霊が宿る依代のことで、稲穂や御幣で形取った物など様々な形があります。現在では円筒の竹カゴを色とりどりの布で飾ったものが一般的です。毎年一月十七日には、地元町内・企業の青年がほら貝を吹き鳴らして神社に集結し、一年の五穀豊穣・家内安全・商売繁昌などの願をかけ、派手に先陣を競いながら梵天を奉納します。俗に<けんか梵天>と呼ばれる荒々しい神事は、春を待つ秋田衆の心意気溢れる勇壮さで知られ、多くの拝観者で境内は大いに賑わいます。

社伝によれば白鳳2年(※)、役小角による開山。

(※神社公式サイトでは673年、秋田県神社庁のページでは646年。白鳳を672-685とする資料もあるため神社公式の表記はわかりますが、神社庁ページの646年だと大化2年になってしまいます)

 

延暦20年(801)征夷大将軍坂上田村麻呂東夷征討の際に戦勝を祈願し社殿建立。

その際奉納された御鏑は神宝として今も伝わっているといいます。

上記の社伝は奥宮に関するもので、東北古社に共通するパターンの伝承です。

 

本来は太古からの山岳信仰に始まると考えられ、中世には修験の霊場として崇敬されました。

 

里宮について。

天明元年(1781)佐竹義敦が赤沼に雪見殿を建立。

慶応4年(1868)佐竹義堯がそこに奥宮の遥拝所を設置。

大正2年(1913)遥拝所を里宮に改築。

昭和53年(1978)大改築を行い総本宮となりました。

 

明治12年県社列格。

戦後は神社本庁の別表神社に指定されています。

 

 

祭神は大己貴命・少彦名命・三吉霊神。

本来は山岳信仰、太平山の山の神を祀っていたと考えられます。

古くから薬師の峰・修験の山としての「太平山信仰」と、力の神・勝負の神を崇める「三吉信仰」があいまって崇敬されていました。

 

大己貴命・少彦名命は薬師の習合神。

 

三吉霊神は力の神、勝負の神、破邪顕正の神。

曲がった事が大嫌いで力持ち、弱きを助け邪悪のものをくじくという秋田生まれの郷土の神だそうです。

伝承によれば、太平の城主藤原鶴寿丸三吉が他の豪族にねたまれ追い出されたので太平山に籠り、修業して神になったとされます。

元禄の棟札には「太平山仙人三吉権現」の名も見えます。

古くは三吉(さんきち)明神とも呼ばれたせいか、菅江真澄は三吉を「山鬼」と解しています。

御朱印

御朱印はあります。

授与所で拝受可。

オリジナル御朱印帳もあり。

 

アクセス

秋田駅付近から県道28号を東へ1kmちょっと行くと、神社の案内が出ています。案内に従っていくと神社前へ。

駐車場は大駐車場と小さめのと2つあります。

大駐車場は社殿の北側、神武館三吉道場の周囲です(位置)。

小駐車場は社殿南西、表参道と思われる側にあります(位置)。

神社概要

社名太平山三吉神社(たいへいざんみよしじんじゃ)
通称

みよしさん

さんきちさん

旧称
住所秋田県秋田市広面字赤沼3-2
祭神

大己貴大神

少彦名大神

三吉霊神

社格等

別表神社

旧県社

札所等
御朱印あり
御朱印帳あり
駐車場あり
公式Webサイトhttp://www.miyoshi.or.jp
備考太平山山頂に奥宮あり

参考文献

  • 「太平山三吉神社」, 『日本歴史地名大系』(データベース「JapanKnowledge」)
  • 「太平山三吉神社」, 神社本庁教学研究所研究室編『平成「祭」データ(CD-ROM)』全国神社祭祀祭礼総合調査本庁委員会, 1995
  • 谷川健一編『日本の神々 神社と聖地 第十二巻 東北・北海道』白水社, 1984
  • 明治神社誌料編纂所編『府県郷社明治神社誌料 中巻』明治神社誌料編纂所, 1912(国会図書館デジタルコレクション 635-636コマ