三之宮神社。
睦沢町北山田に鎮座。
上総国三宮とされる神社。
境内
参道入口に立つ「史跡大柳館址」の標柱
神社近く(というよりも現境内地も含む?)に大柳館という館があったようです。
社号標
この奥に続く細い道を登っていきます。途中に「みたらしの霊水」といわれる、岩盤を削って作られた水受けがあります。
ここの清水でご飯を炊いて食べると、女性の乳の出がよくなったといわれ、明治末期までは水汲みにくる人が絶えなかったといいます。今は清水も少なくなり、人も訪れなくなってしまったそうな。
みたらしの霊水(跡)
大型台風の後の撮影なので枝に埋もれていました。前日にも雨が降っていたため、岩肌を水が流れていましたが、普段はほとんど水はないようです。
水受けの右上あたり
昔はこのあたりから水が湧き出していたのでしょうか。隙間に見える赤いのは蟹です。
水受け手前の岩盤
境内入口石段
鳥居
社殿
拝殿
扁額
本殿
境内社等
熊野神社
八坂神社
道祖神
境内社
神社探訪・狛犬見聞録さんの当社記事によると、疱瘡神・八重垣大神・愛宕大神・菅大神・大杉殿であるそう。
『千葉県神社名鑑』には境内神社として浅間神社、愛宕神社、塞神社、北野神社、大杉神社、八重垣神社が挙げられており、微妙に合致しません(塞神社が上掲の道祖神としても、疱瘡神と浅間神社が合わない。また上掲の熊野神社と八坂神社は名鑑には記載すらされていない)。
出羽三山碑
神輿庫?
参道脇の朽ちた祠
由緒
社伝によれば創建は嘉祥3年(850)。
勝重(何者か不明)の夢に龍神豊玉姫が現れ、稲飯命・三毛入野命の二神が百王万民のため身を海に投じ、天神に祈願したため倭国が平定された、この二神が太東崎に漂着するを以って迎え奉るべし、と告げます。勝重は早朝、(太東崎で?)三つの玉を見つけ、神霊だとして北山田に祀ったというのが創祀とされます。
稲飯命・三毛入野命の二神が漂着するというお告げなのに、神霊の玉が二つでなく三つ見つかった理由は不明。現祭神は上記二神と五瀬命なので、三つの玉の一つを五瀬命に当てたのだと思われますが、その理由も不明。
上総国三宮とされますが、その論拠は謎。
かつては大谷木(すぐ隣の地区)にあり宝治合戦後に遷座したとも。
上総十二社の一つでもあります。上総十二社とは、祭神玉依姫命とその一族の神々を祀る12の神社をいいます。
御朱印
御朱印の有無は不明。
アクセス
木更津、袖ケ浦の方から来る場合、圏央道で市原鶴舞ICまで来て、勝浦・大多喜方面(右手)に降ります。1.8km先の阪本橋交差点(位置)を左折し県道148号へ。
13.5kmほど先(位置)で左折。1.6kmほど先(位置)を左折すると、参道入口(「史跡大柳館址」の標柱があるところ)に出ます。
そのまま直進すれば境内まで行けるし駐車スペースもあるのですが、道は狭く途中から未舗装になるので注意。標柱の左手が広い空き地になっているのですが駐車場なのか不明。
千葉方面からだと千葉東金道路、圏央道と通って茂原長南ICで降り、ちょっと南に行って県道148号に合流し、後は上述のルートと同じ感じで。
上総一ノ宮駅から徒歩だと最短ルートでも4.5kmほどあり若干遠いです。アップダウンはあまりないので、駅そばの観光案内所(位置)でレンタサイクルを借りていくのがおすすめ。電動自転車やロードバイクは1000円/日、普通のママチャリやビーチクルーザーは500円/日。事前予約可能。
神社概要
社名 | 三之宮神社(さんのみやじんじゃ) |
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通称 | – |
旧称 | 三之宮福大権現 |
住所 | 千葉県長生郡睦沢町北山田字宮ノ台360 |
祭神 | 五瀬命 稲飯命 三毛入野命 |
社格等 | 上総国三宮 旧郷社 |
札所等 | – |
御朱印 | 不明 |
御朱印帳 | – |
駐車場 | あり |
公式Webサイト | – |
備考 | かつては大谷木に鎮座? |
参考文献
- 「北山田村」, 『日本歴史地名大系』(データベース「JapanKnowledge」)
- 「三之宮神社」, 神社本庁教学研究所研究室編『平成「祭」データ(CD-ROM)』全国神社祭祀祭礼総合調査本庁委員会, 1995
- 千葉県神社名鑑刊行委員会編『千葉県神社名鑑』千葉県神社庁, 1987