物部神社(佐渡市小倉乙)

物部神社。

佐渡市小倉の山間、県道181号から少し脇道に入ったあたりに鎮座。

式内社 物部神社に比定される神社。

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境内

社頭

 

社号標

 

鳥居

 

狛犬

 

鳥居と境内の間に架かる橋

 

宮之河内川という川のようです

 

手水鉢

 

脇参道側鳥居

 

扁額

 

社号標

 

狛犬

 

歌碑

「万葉歌人穂積朝臣老邸跡 天地を歎き乞ひ禱み幸くあらばまた還り見む志賀の唐崎」

社殿

拝殿

 

扁額

 

本殿覆屋

境内社

藤源神社

 

境内社 藤源神社

佐渡代官藤沼源左エ門を祭神とし、嘉永五年六月十六日小倉村全村の崇敬の象徴として旧八幡社の境内に創立、爾来六月十六日(現在七月十六日)の祭日には近隣の村々からの参拝の老若男女が村人に加わり、神殿前は市をなすほどの賑わいをみせていた。

大正十一年十一月、老朽化の為旧真野宮本殿を譲りうけ、移転改築、さらに昭和三十二年の四社統合によりここに遷宮現在に至る。

藤沼源左エ門時房は佐渡代官として、宝暦三年(一七五三)八月来島、就任当時の全島不作に続き、五年六年には当地と猿八村は凶作の様相を呈するほとで餓死者続出の窮状にあえぐにいたる。諸説あれども、一説には「小倉村三百軒中、餓死三百余人死絶百二軒」とある。この惨状に心痛めた藤沼氏は佐渡奉行石谷備後守清昌に願い出て幕府に請い租税減免の措置をとり貧民の救済に専念する。また飢渇人の田地植付人足を全島の村々より集めて耕作地の維持に努め、宝暦九年その職を辞するまで救援は続行された。その恩情を偲ぶ村人の慕情が当社の建立となった所以である。なお、餓死者供養のために建てた二百万遍塔が近くの小倉川畔に在り毎年供養が続けられている。

この本殿が旧真野宮の本殿であった大正五年皇太子であらせられた昭和天皇が佐渡(行啓)の砌参拝された由緒ある建造物である。

同年皇族朝香宮殿下も参拝される。小倉の地に移築後の昭和二年には新潟県知事藤沼在平氏も佐渡巡視の折り日程を繰延べて当地へ訪れ参拝祭粢を献じている。

由緒

由緒板

物部神社

当社は延喜式九社の第一に挙げられ、かつ延暦十年(791)県下で最初に神階(従五位下)を授けられた旧県社である。

創建は穂積朝臣の老が養老六年(722)佐渡配流、謫居二十年の間物部氏の先祖「宇麻志麻治命」を祠り小祠を建立。

清和天皇の貞観三年(861)社殿建築し元文五年(1740)再建する。

順徳上皇御遷幸あらされし際、当社に御幸遊ばされる。また天和年間(1681~)小倉大納言実起卿此里に居を占めて、崇敬斜めならずと言う。

今も住吉さんなる別称で呼ばれている。これは当地が往古水運の国府川の上流に在り船材の主産地であったことに由来し航海安全の守護神であったことをも象徴している。

現に日蓮上人の住吉大明神なる木札もある。

昭和32年、小倉地内の四神社統合の議が成立、八幡神社及び二つの白山神社を当社に合祀し今日に至る。

創建は養老6年(722)あるいは天平年間(729~749)、物部氏の裔である穂積朝臣老が小祠を建て、祖先宇麻志麻治命を祀ったのが始まりと伝えられます。

穂積老は養老6年、元正天皇を批判したため斬刑を宣せられるも、首皇子(のちの聖武天皇)の奏上により減刑、佐渡島に配流となりました。天平12年(740)に赦されて帰京しています。

 

続日本紀 延暦10年(791)9月甲子(6日)条に「叙佐渡国物部天神従五位下」とみえる物部天神、ならびに延喜式神名帳にみえる「佐渡国雑太郡 物部神社」は当社に比定されています。

 

貞観3年(861)社殿建築。

承久の乱で佐渡に配流となった順徳天皇の御幸があったとも伝えられます。

文永8年(1271)佐渡配流となった日蓮上人が当社に参詣、住吉の神号を奉納したと伝えられます(畑野村志)。地元では今も住吉大明神、住吉社と呼ぶ人が少なくないとのこと。

 

天和元年(1681)小倉事件で佐渡に配流となった小倉実起も当社を崇敬したと伝わります。

元文5年(1740)社殿再建。

 

明治6年(1873)県社列格。

昭和32年(1957)八幡宮と2つの白山神社が合祀され、八幡宮(おそらく左記の合祀された八幡宮)の境内社であった藤源神社が当社境内に遷座されました。

御朱印

御朱印はあるようです。

拝受した方がネットに写真を上げています(私は未拝受)。

神職の方は神社には常駐されていないと思うので、別途連絡が必要かと思われます。

アクセス

佐渡市役所の辺りから県道181号をひたすら南下。小倉川ダムの横を過ぎ少し進むと「物部神社←」の案内が小さく出ているので(位置)、左折します。そのまま道なりで神社。

あるいは上記の分岐よりもう少し先(位置)が表参道入口で、標も立っているのでそちらからでも。

駐車場はおそらくなし(記憶曖昧)。周囲の道は狭めなので、邪魔にならないところに。

神社概要

社名物部神社(もののべじんじゃ)
通称
旧称住吉大明神
住所新潟県佐渡市小倉乙618
祭神宇麻志麻治命
合祀

神宮皇后 仲哀天皇 應神天皇(八幡宮)

伊弉冊尊 菊理媛命(白山神社)

社格等

式内社 佐渡国雑太郡 物部神社

続日本紀 延暦十年九月甲子(六) 物部天神 従五位下

旧県社

札所等
御朱印あり
御朱印帳
駐車場なし
公式Webサイト
備考

参考文献

  • 「物部神社」, 『日本歴史地名大系』(データベース「JapanKnowledge」)
  • 「物部神社」, 神社本庁教学研究所研究室編『平成「祭」データ(CD-ROM)』全国神社祭祀祭礼総合調査本庁委員会, 1995
  • 式内社研究会編『式内社調査報告 第十七巻 北陸道3』皇學館大学出版部, 1987
  • 新潟県神職会佐渡支部編『佐渡神社誌』新潟県神職会佐渡支部, 1926(国会図書館デジタルコレクション 60-61コマ
  • 明治神社誌料編纂所編『府県郷社明治神社誌料 上巻』明治神社誌料編纂所, 1912(国会図書館デジタルコレクション 443コマ