真野宮。
真野公園に隣接する場所に鎮座。
元は順徳天皇御火葬塚の管理をしていた真輪寺という寺院で、明治の神仏分離により真野宮になったという経緯のある神社。
境内
鳥居
社号標
手水舎
神門
狛犬
社殿
拝殿
本殿
古墳等
順徳上皇行在所跡
真輪寺の阿弥陀堂が行在所だったらしいのですが、見ての通り門が閉じられており入れないので、この上がどうなっているのか(今も阿弥陀堂があるのか)は不明。
西古墳
佐渡市背合・大須・大小にある真野古墳群から移築されたもの。
真野町三貫目沢 西古墳(えぞ塚)
佐渡の古墳は真野町大須付近に二十五基ある。近年の開発で多く破壊されるのを恐れ、真野宮境内に一基を移築したものである。
佐渡の古墳は横穴式石室の円墳である。
出土器は人骨・直刀・鉄鏃・土器などがある。六世紀なかば(えぞ)と呼ばれた人達がこの地に渡来し築かれたという。
真輪寺一石五輪塔
真野御陵(順徳天皇御火葬塚)
神社の東南東約800m程に、真野御陵(正式には順徳天皇御火葬塚)があります。
承久3年(1221)に承久の乱に敗れた順徳天皇(上皇)は、在島21年の末、仁治3年(1243)46歳の時に帰京叶わぬままこの地で崩御しました。
順徳天皇御火葬塚はその名の通り正式には火葬塚なのですが、御陵と同格の扱いで宮内庁が管理しています。
真野御陵入口
この先、左手に柵があり、その奥に鳥居があります。
写真は未撮影。撮り忘れたのか場所が場所だけに遠慮したのかは覚えてないです。
承久の変(1221年)で佐渡へ御遷幸の順徳帝は、在島22年仁治3年(1241年)9月46歳で島の行在所で崩御された。この真野山で御火葬、御遺骨は翌寛元元年(1242年)4月従臣藤原康光によって都に帰られ、大原の父鳥羽帝の墓所の傍らに埋葬された。
この御火葬所の地は従来「真野御陵」と称されてきたが、明治22年6月京都大原墓所が陵に定められると、ここは「御火葬塚」となるが御陵と同じ取り扱いをされ宮内庁で管理。
戦国内乱期に境内は大いに荒廃したが、江戸時代延宝6年(1678年)国分寺と末寺(御陵別当)真輪寺の僧の修復願出により、時の佐渡奉行曽根五郎兵衛は幕府の許可を得、翌年には方五十間の現境域を復旧した。外部の石垣は明治8年相川県参事鈴木重嶺の修復になる。
日本三大名石の一つとされる赤玉石
佐渡の赤玉地区でのみ産出する石で、最近は産出量が減り貴重なのだとか。写真は真野御陵の手前にある真野観光センターの横に並べられていたもの。しかしここまで一カ所に赤い石が集まっているとちょっと怖い。当時は赤玉石のことを知らずに見たのでなおさら…
由緒
真野宮は順徳天皇を奉祀し菅原道真、日野資朝を配祀してある。
天皇は在島二十二年、仁治三年四十五歳で真野宮(真輪寺)で崩御された。
大正九年現社殿造営、昭和十七年の七百年祭に神域を拡張した。
当社は元々は順徳天皇御火葬塚の管理をしていた真輪寺(真言宗真野山真輪寺)という寺院でした。
真輪寺は国分寺の末寺で、12坊の末寺を持ち、奥院の阿弥陀堂には順徳天皇の木像を安置していました。
なお真輪寺の開基は天暦中(947~957)とのこと。
明治維新後に廃仏毀釈により真輪寺は廃寺となり、寺僧は神職となりました。
明治7年(1874)、順徳天皇像は大阪の水無瀬宮(現・水無瀬神宮)へ還幸、この際御霊代として明治天皇より御剣が下賜され、奉斎されています。
同年県社に列格、真野宮と改称(明治元年から7年までの社号は不明)。
明治9年(1876)社殿造営。
明治31年(1898)社地拡張、隣接御料地の丘上に社殿遷座。
大正9年(1920)社殿新築。
昭和17年(1942)の順徳天皇700年祭に際し鳥居、神橋、神門、社務所を新設、参道を広げ神域が拡張されました。
社宝として、順徳天皇の御遺品と伝えられる扇子・硯・短刀・釣花瓶・御製百首等があります。
配祀の菅原道真公は順徳天皇による勧請だそうで、真輪寺境内に祠が祀られていたそうです。
同じく配祀の日野資朝公は明治9年(1920)相川県権令鈴木重嶺の勧請によるもの。
御朱印
御朱印はあります。
社務所で拝受可。
真野御陵の御陵印有無は不明。
アクセス
国道350号の真野御陵入口交差点(位置)を南東に入ります。
500mほど先(位置)で左折し県道304号へ。そこから直進すると左手に鳥居が見えてきます。
神社の隣に佐渡歴史伝説館があり、ここの駐車場を利用可(位置)。
なお佐渡歴史伝説館の売店にはかつて、あのチャールズ・ジェンキンス氏が勤務していました。
神社概要
社名 | 真野宮(まのぐう) |
---|---|
通称 | – |
旧称 | 真輪寺(しんりんじ) |
住所 | 新潟県佐渡市真野655 |
祭神 | 順徳天皇 |
配祀 | 菅原道真 日野資朝 |
社格等 | 旧県社 |
札所等 | – |
御朱印 | あり(真野御陵の御陵印は不明) |
御朱印帳 | – |
駐車場 | あり(佐渡歴史伝説館の駐車場を利用) |
公式Webサイト | – |
備考 | – |
真野宮
真野御陵
参考文献
- 「真野宮」, 『日本歴史地名大系』(データベース「JapanKnowledge」)
- 「真野宮」, 神社本庁教学研究所研究室編『平成「祭」データ(CD-ROM)』全国神社祭祀祭礼総合調査本庁委員会, 1995
- 新潟県神職会佐渡支部編『佐渡神社誌』新潟県神職会佐渡支部, 1926(国会図書館デジタルコレクション 70-71コマ)
- 明治神社誌料編纂所編『府県郷社明治神社誌料 上巻』明治神社誌料編纂所, 1912(国会図書館デジタルコレクション 439-440コマ)