郡頭神社(高知市鴨部上町)

郡頭神社。

高知市鴨部上町、とさでん交通伊野線鴨部駅の東に鎮座。

式内社 郡頭神社に比定される神社。

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境内

社頭

 

一の鳥居

 

扁額

 

狛犬

 

二の鳥居

 

狛犬

 

手水舎

 

 

注連石

 

裏参道鳥居

 

裏参道狛犬

 

扁額

裏参道の鳥居に扁額を掛けていた跡があるので、元はこちらが掛かっていたのかも。

社殿

拝殿

 

扁額

 

本殿

境内社等

八幡宮・荒神宮

 

八幡宮・荒神宮狛犬

 

石祠

由緒

由緒碑

  • 御鎮座地

高知市鴨部二六四番地

  • 御社名(こおりずじんじゃ)

郡頭神社(古保里都神社と訓じ…と「明細帳」にある)「こほりづ」と読む。

  • 御祭神

大國主神

  • 由緒

延喜式巻第十〔神祇十〕神名下(南海道神)土佐國廿一座の一つである。

「続日本紀」神護景雲ニ年十一月戊子の条に「土佐國土佐郡人神依田公名代等四十一人賜姓賀茂。」とあり、「新撰姓氏録」に「鴨部祝賀茂朝臣同祖大國主神後也」とあることからも賀茂氏一族の当地に於ける繁栄と、大國主神を奉斎し崇敬したことがうかがわれる。

延喜式内社であった当社は、明治五年郷社に列し、昭和二十一年神社制度の変革により神社本庁に所属し、仝年五月十七日宗教法人となった。

昭和五十六年五月二十七日、御社殿及び社務所が炎上したが、御神体間近まで燃え迫った炎は自然に消え御神体は御安泰であった。更に、御神体に関する不思議な霊威はこれにとどまらず、社務所神殿に安置された御分霊も、あます所なく焼け落ちた廃拠に無疵で御安泰、仮殿に遷座すべく奉仕した神職共あまりの神威の高さに慄然とした。

昭和五十八年より一年有半を経過した工事により、本殿、幣拝殿、社務所、神庫、境内諸設備を再建新設した。

  • 大國主神さま

大國主神さまには多くのお名前があります。それは、御神徳(御利益)が多いことを物語っています。葦原醜男(あしはらのしこお)八千戈神(やちほこのかみ)大己貴神(おおなむちのかみ)と別名でお呼びすることもあります。

大國主神は素戔嗚尊(すさのおのみこと)の御子とも、五世孫とも六世孫ともいい、「古事記」によれば、天之冬衣神(あめのふゆぎぬのかみ)の御子で、御母は刺國大神(さすくにのおおかみ)の娘、刺國若比賣(さすくにわかひめ)であるとされています。

大國主神は、國土を開拓し、天下を経営し、畜産の業を興し、医療の法を教え、種々の災をはらい、禁厭の法を定められました。そのため國作らしし大神とも申し上げます。

天孫降臨にあたっては、御子、事代主神(ことしろぬしのかみ)と議って國ゆづりをされ、永く幽界の事を司られるようになりました。

創建時期は不詳。

当地は古くから賀茂氏・鴨部氏(賀茂氏の部民)が居住し、彼らが祖神=大国主命を祀ったのがはじまりで、やがて地主神になっていったとみられています。

 

続日本紀 神護景雲2年(768)11月戊子(18日)条に「土左国土左郡人神依田公名代等卌一人賜姓賀茂」とあります。「神依田公」は「こうだのきみ」、神依田=神田。この地が賀茂氏と縁深かったため、賀茂姓を与えられたようです。

また、東大寺文書 天平勝宝4年(752)10月25日の造寺司牒に、土佐国鴨部郡50戸が東大寺の封戸となっていたことが記されており、当時の繁栄がわかります。

 

延喜式神名帳にみえる「土佐国土佐郡 郡頭神社」は当社に比定されています。

 

以降、中近世における当社の歴史は詳らかではありません。

鴨部神社・六所大明神と称されたこと、高賀茂神社(土佐神社)に次ぐ崇敬を受け祭儀も盛大を極めたということ等が伝わるのみ。

 

明治5年郷社列格。

昭和56年、火災により社殿及び社務所が全焼。御神体と神殿に安置された御分霊は無事だったそうです。

 

当社の社名についてはいくつかの説があります。

  • カワウチ(鏡川と神田川の内にあったので河内)からカウツに転訛し、好字を当てた
  • 土佐郡は土佐国の郡名の最初なので「郡の頭に座す社」の意味
  • 郡家に入る頭(郡家頭)の意味(土佐郡家が鴨部郡にあったとする説による)
  • 鴨部神社の誤記

 

なお、『辺海松布』(皆山集所収)には、神田村の松尾明神社が郡頭神社であったかもしれないという説が挙げられているようです。

神田には松尾神社が一社ある(高知市神田627)のですが、松尾明神社がそちらを指すのかは不明。

御朱印

御朱印はあります。

社務所で拝受可。ただし常駐されているかは不明。

アクセス

高知自動車道の伊野ICを高知方面(右手)へ降り、国道33号を東に。

4kmほど先の交差点(位置)で右折。

170mくらい先(位置)、右手に鳥居がありますので、右折して鳥居脇の道を入っていきます(すごく狭い)。

50mほどで二の鳥居があり、その左手に駐車場。一台分(軽ならギリ2台いけるかも)しかないので、先客がいたら待つしかありません。

 

あるいは高知城や高知県庁の南にある県庁前交差点(位置)から国道33号を西へ。

鏡川を渡った先のちょっと複雑な交差点(位置)、クロスする歩道橋の下で左折して県道274号へ。

300mほど先の交差点(位置)で右折。170mくらい先右手に鳥居があるので後は上記と同じ。

 

あるいは高知駅南東の中宝永町交差点(位置)を南に折れて国道56号バイパスを通り、5.5kmほど先の能茶山交差点(位置)で右折。550mほど先の交差点(位置)で左折。170mくらい先右手に鳥居があるので後は上記と同じ。

神社概要

社名郡頭神社(こおりずじんじゃ)
通称郡頭神社(ぐんとうじんじゃ)
旧称

鴨部神社

六所大明神

住所高知県高知市鴨部上町5-8
祭神大国主神
社格等

式内社 土佐国土佐郡 郡頭神社

旧郷社

札所等
御朱印あり
御朱印帳
駐車場あり
公式Webサイト
備考

参考文献

  • 「郡頭神社」, 『日本歴史地名大系』(データベース「JapanKnowledge」)
  • 「郡頭神社」, 神社本庁教学研究所研究室編『平成「祭」データ(CD-ROM)』全国神社祭祀祭礼総合調査本庁委員会, 1995
  • 式内社研究会編『式内社調査報告 第二十三巻 南海道』皇學館大学出版部, 1987
  • 明治神社誌料編纂所編『府県郷社明治神社誌料 下巻』明治神社誌料編纂所, 1912(国会図書館デジタルコレクション 432コマ