子松神社(田村市常葉町常葉字中町)

子松神社。

田村市常葉行政局や田村市図書館常葉分館がある区画から道を挟んで西に鎮座。

式内社 子松神社の論社。

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境内

社頭

 

案内板

田村市指定無形民俗文化財

子松神社の三匹獅子舞

由来等

子松の三匹獅子舞は、太郎獅子、次郎獅子が花子獅子を奪い合うなどする一人立ちの三匹獅子舞で、子松神社秋季例大祭に神社境内で舞われています。

伝承では、明徳3(1392)年に奉納したのをはじまりとし、天文11(1542)年には伊勢神宮でも奉納したともいわれています。

子松神社は、坂上田村麻呂に由来する縁起を持ち、中世から尊崇をあつめた神社で、かつては多種の神事芸能が受け継がれていたと伝わっていますが、現在は三匹獅子舞だけが保存会により継承されています。

 

社号標「延喜式内郷社子松神社」

 

目が赤い狛犬

 

手水舎

 

一の鳥居(石の台輪鳥居)

 

二の鳥居(木の両部鳥居)

 

社殿への石段の起点に立つ金属製の門(?)

 

階段上の狛犬

 

社殿右手からも登れる石段あり

 

右手石段脇の社号標

社殿

拝殿

 

扁額

扇型は珍しい。

 

拝殿向拝柱の獅子鼻の表情が何とも言えず

 

本殿覆屋

 

本殿下は一段下がっており、基礎部は倉庫を兼ねているようです

境内社等

表参道脇の境内社

見たところ割と新しい建物のようですが、詳細不明。

 

古峯神社

右手石段の付近。

 

お社の後ろには古峯神社の碑

 

そのそばに2つの石碑

一枚目は金華山?二枚目はわかりません。

 

右手石段の脇に祠

 

社殿右手に山神碑

 

社殿右手に神楽殿

 

社殿左手の神具庫?御輿庫?

 

他にも祠、石碑が各所にありました

 

境内左手に建つ年季の入った家屋

人が住んでいそうな気配は感じられませんでした。神社と関係あるかもと思い撮影しましたが、不明(社務所は境内右手)。

由緒

子松神社縁起

桓武天皇の御宇延暦二〇年(八〇二年)坂上田村磨呂が夷賊を征すが爲め祇園社に詣じて祈り願う「吾今勅を奉じて兇賊を伐たんとす聴くが賊勢は極めて強悪なり神威に憑るに非ずんばこれを討滅するに由なし願くば吾に神力を下被して功を奏せしめ給へ」と念じける

直に兵を進めて大嶽根山にて賊を平定す依て思うこれ祇園社の素盞嗚命の神力加護なりその勝利を祝いこの麓に神殿を設け素盞嗚命を奉齋る醍醐天皇の御宇延喜式帳に記され延喜式内社子松神社と号し給ふ

その後明徳三年(一三九二年)常葉城主赤松越前守顕則公神殿を再建し翌年九月に遷宮す明治九年十一月郷社に列格し神饌幣帛料供進使指定社となる明治四十年に十月十五日を例祭日と定め昭和二十七年神社本庁の法人認定を期に新暦十月二十四日二十五日二十六日の三ヶ日を例祭日と定む昭和五十五年三月御手水舎新築落成を祝し縁起碑を建立す

子松神社蔵書 鷲宮記より

社伝によれば創建は延暦20年(801)以降。

延暦年間(782~806)悪路王のあと高丸が謀反を起し、田村麻呂は平定を試みますが、高丸は逆に都を襲おうとします。

田村麻呂は京の祇園社に戦勝を祈願し、その加護で高丸を退けるものの、霧島嶽(大滝根山のこと)に籠った敵は追撃する田村麻呂に偽りの投降をし、安堵した田村麻呂たちを野火攻めにします。その時一羽の鷲が現れ、驟雨を降らせて田村麻呂を助けました。

この祇園の化身の鷲を鷲大明神として祀ったのが当社の始まりとされます。

また、子松神社の祭礼はかつて11月15日とされており、これは田村麻呂が賊を平定して京に帰った月であるそうです。

 

上記由緒はこちらのサイトを参照しました(常葉町史を参考にしているようです)。

 

子松神社の由来(リンク先消滅)

 

その後、明徳3年(1392)常葉城主赤松越前守顕則(赤松円心の孫)が社殿を再建。

 

明治9年郷社列格。

 

『式内社調査報告』の陸奥国新田郡 子松神社の項に「鈴鹿連胤は『参拝録』によって田村郡常葉村としている」とあり、同じ鈴鹿連胤の『神社覈録』に「子松は古麻都と訓べし○祭神詳ならず○田村郡常葉村に在す」とあって、これらが当社のことを指すようです。

よって延喜式神名帳にみえる「陸奥国新田郡 子松神社」を当社にあてる向きもあるといえますが、地理的な見地から『式内社調査報告』はそれを否定しています。

他に、『神祇志料』に「子松神社、今安積郡郡山の東小松村にあり、大明神と云ふ」とあります。

これも当社のことなのか、それとも別の神社のことなのか(いずれにせよ『式内社調査報告』ではこの説も否定していますが)。

御朱印

御朱印はあります。

参拝時は情報がなく、無人だったので私は拝受していないのですが、この記事を書くにあたり検索したところ最近いただいた方の情報を見かけました。

宮司さんは常駐されていないと思うので、事前連絡が無難かと思います。

アクセス

郡山駅あたりから県道57号→113号と30kmほど行ったところの交差点(位置)を南に折れると神社前です。

駐車場はなし。境内に車を乗り入れることもできそうですが(未確認)、神社向かいの田村市常葉行政局の駐車場をお借りするのがよいかと思います。

公共交通機関でのアクセスはだいぶ不便です。最寄りの磐城常葉駅からは5km(バス路線なし)。船引駅から常葉方面へバスがありますが本数はわずかです。

神社概要

社名子松神社(こまつじんじゃ)
通称
旧称鷲大明神
住所福島県田村市常葉町常葉字中町76
祭神素盞嗚尊
社格等

式内社 陸奥国新田郡 子松神社

旧郷社

札所等
御朱印あり
御朱印帳
駐車場なし
公式Webサイト
備考

参考文献

  • 「常葉村」, 『日本歴史地名大系』(データベース「JapanKnowledge」)
  • 「子松神社」, 神社本庁教学研究所研究室編『平成「祭」データ(CD-ROM)』全国神社祭祀祭礼総合調査本庁委員会, 1995
  • 式内社研究会編『式内社調査報告 第十四巻 東山道3』皇學館大学出版部, 1987
  • 明治神社誌料編纂所編『府県郷社明治神社誌料 中巻』明治神社誌料編纂所, 1912(国会図書館デジタルコレクション 443-444コマ