伊笠神社。
阿波市市場町犬墓、伊笠山の山頂に鎮座。
式内社 建布都神社の論社。
境内
鳥居
扁額
参道
鳥居の少し先で道が分岐しますが、左手に行きます。
境内下
手水鉢
狛犬
社殿
拝殿
本殿
境内社等
石祠
『徳島県神社誌』によれば秋葉大権現。
鳥居近くにある石台
御旅所?
由緒
創建は承応3年(1654)9月13日。
新田氏の一族を祀るといわれ、『阿波志』に「藺笠祠 犬墓山頂に在り。相伝ふ、新田氏の族遁れ来り、常に笠を戴いて行く。既に死し、祠を作りて之を祀る」とあります。
また一説には、地頭職三浦為清が源頼朝から久千田庄を賜って来任、故郷より氏神を山上に勧請し、衣笠と名付けたとも。
実際には古くから信仰の山とされていたとみられ、延喜式神名帳にみえる「阿波国阿波郡 建布都神社」を当社にあてる説があります。
これは『阿波国式社略考』で提示された説で、「イガサ」は「ミカサ」の転訛であり、大和国三笠山の麓(春日大社)に座す武甕槌命=建布都神を祀っていたとするもの。
享保14年(1729)11月再建。
かつては松・杉・樅の老大木に覆われていたそうですが、大正初期に伐採され、現在は少数の古木をとどめるのみ。
旧社格は村社で、大正8年に竹倉八幡神社ほか7社を合祀。
祭神は天之二上命。
天牟羅雲命(天村雲命)の別名、天二上命だと思われますが、この名で祭神としている神社は他に見当たらず(摂末社ではあるかもしれませんが)、珍しいです。この神が祀られるようになった経緯は不明。
『徳島県神社誌』には他に五柱の祭神が挙げられていますが、元からの祭神なのか、大正時代に合祀された神社の祭神なのかは不明。
なお当社の鎮座地・犬墓の地名は、弘法大師が愛犬を埋葬したことに由来するという伝説があります。
御朱印
御朱印の有無は不明。
アクセス
阿波市内から日開谷川沿いに県道2号を北上し、犬墓大北の四叉路(位置)まで行きます。
(この辺り国道も通っておらず、説明しやすい道がありません。いずれは市場町尾開辺りに阿波スマートICができる予定なので、もっとわかりやすくなると思うのですが)
四叉路の角に犬之墓時計台が建っています
この時計台の正面(位置、写真を撮っている位置の真後ろ)から林道ヤカエ線に入り登っていきます。
3kmちょっと登ると養豚場に出ます。養豚場内の所々に伊笠神社の案内が出ているので、それに従い進みます。よく見ていないと山を降りる道(しかも悪路)に入ってしまうので注意。
最後の案内板(位置)
ここから先はかなり狭く、道路に草や枝がはみ出し石も転がっているので、自信がなければ歩いたほうがいいです。途中までストリートビューがあるので、見て判断してください。(歩く場合、車は養豚場下の邪魔にならない隅にでも置かせてもらうほかありませんが)。
1.5kmくらい?登ったところに鳥居。その周りが広いので駐車可能。
そこから少し登ると神社。
神社概要
社名 | 伊笠神社(いがさじんじゃ) |
---|---|
通称 | – |
旧称 | 伊笠明神 |
住所 | 徳島県阿波市市場町犬墓字白水194 |
祭神 | 天之二上命 武甕槌命 布津主命 天御中主命 天目一箇命 誉田別命 |
社格等 | 式内社 阿波国阿波郡 建布都神社 旧村社 |
札所等 | – |
御朱印 | 不明 |
御朱印帳 | – |
駐車場 | あり |
公式Webサイト | – |
備考 | – |
参考文献
- 「犬墓村」, 『日本歴史地名大系』(データベース「JapanKnowledge」)
- 「伊笠神社」, 神社本庁教学研究所研究室編『平成「祭」データ(CD-ROM)』全国神社祭祀祭礼総合調査本庁委員会, 1995
- 式内社研究会編『式内社調査報告 第二十三巻 南海道』皇學館大学出版部, 1987
- 徳島県神社庁教化委員会編『改訂 徳島県神社誌』徳島県神社庁, 2019