飛騨護國神社(高山市堀端町)

飛騨護國神社。

高山市堀端町、城山の北麓に鎮座。

全國護國神社會に所属する護国神社のうち、唯一旧内務大臣指定護国神社ではなかった神社。

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境内

社頭

 

社号標

 

鳥居

 

狛犬

 

石段

 

飛騨招魂社の社号標

 

神門

 

狛犬

 

手水舎

社殿

拝殿

 

扁額

 

本殿

同境内の神社

飛騨大神宮と黄金神社はそれぞれ独立した宗教法人であり、護国神社の境内社ではありません。

久和司神社と飛騨匠神社については不明(いずれかの神社の摂末社かも)。

 

忠孝苑合祭殿鳥居

 

黄金神社社号標

 

忠孝苑合祭殿

飛騨大神宮、黄金神社、祖霊殿社の三社の祠が中に祀られています。

拝殿左手の棟続きの建物を飛騨大神宮の覆殿と紹介しているサイトもありますが、神社公式サイトの画像を見る限り、三社の祠は近接して並んでいます。

公式の飛騨大神宮由緒に「平成5年「忠孝苑合祭殿」造営により社殿を移動遷座す。」とあるため、以前は護国神社拝殿左手の棟続きの建物が大神宮の覆殿であり、平成5年にこちらに遷ったのではと推測します。

 

忠孝苑合祭殿の狛犬

 

久和司神社

中嶋神社(兵庫県豊岡市)と林神社(奈良県奈良市、漢國神社の境内社)からの勧請(昭和31年)。

久和司=くわし=菓子で、その名の通りお菓子の神様です。

 

飛騨匠神社

飛騨国分寺境内の木鶴堂(歴代工匠諸霊を祭祀供養していた堂)が前身で、明治12年に当社の祖霊社に神霊を遷し、明治35年に単独の社殿を建立。

前身の木鶴堂を含めれば、この境内で一番歴史の長い神社かも。

 

蔵か神楽殿か

由緒

黄金神社

黄金神社については、慶長年間(1596~1615)に飛騨国内鉱業開発祈念のため金山毘古神金山毘賣神を高山城内に奉斎したことに始まるとする説があります。

 

寛永18年(1641)に宮島平左衛門を合祀(元金沢藩士で高山藩の鉱山奉行になった人らしい。讒訴を受け横死。その後数々の怪異があったため祀られた。これを創祀とする説も)。

寛永23年(1646)に茂住宗貞を合祀(飛騨鉱山開発の祖とされる人)。

 

文政2年(1819)に高山城二之丸岩上から現境内地の下段に遷座。

明治12年村社列格。

平成5年、忠孝苑合祭殿が造営され、飛騨大神宮、祖霊社と共に遷座。

なお社名読みは「おうごんじんじゃ」。

飛騨大神宮

明治11年8月16日、神宮教中教院地鎮祭が斎行され(神宮教は教派神道の一つ)、9月に西南の役戦没招魂祭を斎行。

明治12年4月に中教院が竣工し、4月21日に伊勢神宮から天照皇大神を勧請。「中教院大神宮」を称しました。同年9月には祖霊殿も併設されます。

 

明治32年、神宮教が解散し神宮奉斎会が設立。講堂と祖霊社は奉斎会の管理に移り、境内は「忠孝苑」と名付けられます。

昭和6年、大神宮改築し、忠孝苑大神宮に改称(神宮教解散後も「中教院大神宮」を称していたのか、単に「大神宮」であったのかは不明)。

昭和21年、飛騨大神宮に改称。

 

平成5年、忠孝苑合祭殿が造営され、黄金神社、祖霊社と共に遷座。

飛騨護國神社

明治42年、飛騨招魂社の設立が許可され、境内と講堂を奉斎会より譲受し私祭飛騨招魂社を設立。

 

明治44年、招魂社に専属神官が置かれ、靖国神社宮司奉仕のもと、靖国御分霊を奉祀。

この靖国神社宮司とは3代宮司の賀茂百樹。靖国御分霊を奉戴というのは靖国側には記録はないそうですが、靖国神社御分霊を祭る招魂社は全国に類がない、とのこと。

 

ちなみに、岐阜県は「招魂社ヲ護國神社ト改称スルノ件」(昭和14年内務省令第12號)の施行に先立ち、既存の招魂社を廃し岐阜市に護国神社を設立する想定でいました。

しかし既存の一社、大垣招魂社は濃飛護国神社として、飛騨を吸収合併する前提で存続が決定します。

この突然の廃社計画に対し、当社や市の職員は当時の飛騨軍人の配属先でもあった富山連隊へ直訴、富山縣招魂社の手続きを閲覧させてもらった上で徹夜で申請書を作成、提出期限の3月29日に県に書類提出しなんとか存続が決定されたそうです。

 

昭和14年、飛騨護國神社に改称。

終戦後の昭和21年、飛騨神社に改称。

昭和30年、飛騨護國神社に復称。

現在は主要な護国神社52社で組織される「全國護國神社會」に、旧内務大臣指定外の神社では唯一所属しています。

御朱印

御朱印はあります。

社務所で拝受可。

飛騨大神宮と黄金神社の御朱印もあるようです。私はいただいていません。

アクセス

周辺の道は一方通行のところや細い道が多く要注意。

 

国道158号を、高山駅のやや東(位置、信号なし交差点なので注意)で南に入ります。

道なりに300mちょっと南へ行くと、左手に城山保育園、その先に公衆トイレ、護国神社西参道入口があります。

西参道入口を入ってしまうと社殿前に出てしまい駐車スペースがありません(なくはないですが車祓用のスペースではないかと…)。

保育園と公衆トイレの間にある細い道(この辺から)を入っていくと神社の表参道に出ます。

参道脇に停めて参拝している人が複数いましたので、おそらくそこが駐車場だと思われます。

ただ確証はないので、不安な方は西参道入口から100mちょっと北にある市営えび坂駐車場(位置)に停めるとよいと思います(上述ルート途中にあります)。日中は150円/30m。

神社概要

社名飛騨護國神社(ひだごこくじんじゃ)
通称
旧称

飛騨招魂社

飛騨神社

住所岐阜県高山市堀端町90
祭神護国の英霊
社格等

旧内務大臣指定外護国神社(飛騨護國神社)

旧村社(黄金神社)

札所等
御朱印あり(飛騨護国神社、飛騨大神宮、黄金神社)
御朱印帳
駐車場あり
公式Webサイトhttp://www.hidatakayama.ne.jp/gokoku/
備考

参考文献

  • 「飛騨護国神社」, 神社本庁教学研究所研究室編『平成「祭」データ(CD-ROM)』全国神社祭祀祭礼総合調査本庁委員会, 1995