志太張神社。
さぬき市鴨部に鎮座。
式内社 志太張神社に比定される神社。
境内
参道
社号標
鳥居
階段を上ると左手に注連柱と社殿があります
手水鉢
狛犬
歌碑
社殿
拝殿
本殿
御旅所
参道を社殿の方に曲がらず直進すると(写真正面方向)、御旅所があります
社殿前から御旅所までの道
150mちょっとあります。
御旅所
由緒
創建時期は不詳。
『全讃史』では、『宝蔵院極楽寺記』に曰く天長元年(824)4月に弘法大師が石田の極楽寺を鴨部に移し下張神をもって鎮守とした、しかしいつ祀り始めたかは不明としており、『讃岐國官社考證』ではこの勧請について社殿再興の誤りだとしています。
延喜式神名帳にみえる「讃岐国寒川郡 志太張神社」に比定されています。
また、日本紀略 延喜6年(906)2月7日条に「讃岐国氏大神…従五位下」、同延喜10年9月5日条に「讃岐国氏大神…従五位上」とみえる氏大神についても当社とする説があります。
『日本歴史地名大系』において、『神階記』の延喜6年2月7日条に「讃岐国氏大張神…従五位下」とあることを根拠に氏大神=氏大張神=志太張神社としているのですが、神階記という書がいつ誰によって書かれたものなのか不明。続群書類従に収録されているので内容の確認はできますが(国会図書館デジタルコレクション 続群書類従巻60-61、当該記述は56コマ)、底本に関する記述はありません。
その後の由緒は不詳。
明治4年郷社列格。
祭神の天下春命は八意思兼神の子で、武蔵秩父国造の祖とされています。
志太張は「下墾」の意で、この地開拓の神だと解されているようです。
香川県神社誌
延喜神名式に『寒川郡五座並小志太張神社』とありて、延喜式所載讃岐国二十四社の一なりとす。天長元年(紀元一四八四)六月の創祀なりといふも定かならず。全讃史に『天下春命為主…宝蔵院極楽寺記云天長元年四月弘法大師奉勅移石田極楽寺於鴨部以下張神為鎮守然未知何時始祠之矣』とありて、天長元年創建は再営の誤なるべしとも云ふ。祭神天下春命は旧事記に見えて八意思兼神の子とあり。古史伝に『天下春命此名の義も未だ思ひ得ず兄弟上と下とを対へて名に負へるなり神名式に讃岐国寒川郡志太張神社あり此社は鴨部郷東山村に有る小社なりと当国の式社考に見ゆこれ志太波流の例なり此社由あるか』と見ゆ。大日本史に『志太張神社在今東山村下張之地称下春明神蓋祀天下春命』。又全讃史に『蓋下張地名其地旧所社祭之土后何故就以為鎮也』とありて地名も亦下張と云ひしなり。官社考証も亦『東山村下張と云ふ所にありて』と云ひ、地名、社号、神名皆同一なり。尚下張の地と一谷を隔つる地に天村雲命を祀れる金森神社あり、此の神亦天孫降臨の節供奉せし神なれば、当社祭神は此の神と共に当地に来住近郷を開拓せし神なるべしと云ふ。慶長年間生駒隼人寒川郡長尾東西及び鴨部を領し厚く当社を尊信して屡参拝せり。又寛永十九年松平頼重当国に封を受け寒川郡小田浦より高松に入るや、鴨部神社及び当社に幣帛を奉り、後屡参拝あり、其の乗馬を繋ぎし所とて馬継の地名今も猶残れり。
明治四年村社に列せられ、同四十年十月二十四日神饌幣帛料供進神社に指定せらる。尚現在の社殿は大正元年改築せし所なり。社号古くは志太張の字を用ゐしが何れの頃よりか志多張と書かれしを、昭和四年一月元の如く志太張とせり。
御朱印
御朱印の有無は不明。
普段は無人のようです。当社西にある鴨部神社(位置)が本務社ではないかと推測しますが、不明。
アクセス
国道11号の馬次交差点(位置)を南に折れます。
500mほど先(位置)から神社方向へ入ります。ただしこの道とても狭い(記事冒頭の写真参照)ので、不安な場合はどこか離れた場所に停めてきた方がいいかもしれません。
神社概要
社名 | 志太張神社(したばりじんじゃ) |
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通称 | – |
旧称 | 志太張大明神 志多張神社 |
住所 | 香川県さぬき市鴨部6449 |
祭神 | 天下春命 |
社格等 | 式内社 讃岐国寒川郡 志太張神社 日本紀略 延喜六年二月七日 氏大神 従五位下 日本紀略 延喜十年九月五日 氏大神 従五位上 旧村社 |
札所等 | – |
御朱印 | 不明 |
御朱印帳 | – |
駐車場 | 参道に駐車スペースあり |
公式Webサイト | – |
備考 | – |
参考文献
- 「志太張神社」, 『日本歴史地名大系』(データベース「JapanKnowledge」)
- 「志太張神社」, 神社本庁教学研究所研究室編『平成「祭」データ(CD-ROM)』全国神社祭祀祭礼総合調査本庁委員会, 1995
- 梶原藍水『古今讃岐名勝図絵』高松製版印刷所, 1930(国会図書館デジタルコレクション 74コマ)
- 香川県神職会編『香川県神社誌 上巻』香川県神職会, 1938(国会図書館デジタルコレクション 116-117コマ)
- 式内社研究会編『式内社調査報告 第二十三巻 南海道』皇學館大学出版部, 1987