大家神社。
新温泉町二日市に鎮座。
式内社 大家神社に比定される神社。
境内
参道
鳥居はありませんでした。
石段下
手水舎
社殿
社殿覆屋
扁額
覆屋内の社殿
由緒
創建時期は不詳。
『美方郡誌』によれば醍醐天皇の時代(西暦900年頃)には既に存在していたとのこと。
『但馬神社系譜伝』は大化3年(647)に少毅・小黒冠大家首高志がその祖・彦真倭命を祀ったのに始まるとします。
延喜式神名帳の「但馬国二方郡 大家神社」に比定されます。
承平6年(936)社殿再建。
延宝年間(1673~1681)領主京極甲斐守が社参し神田六畝歩寄進。
明治6年(1873)村社列格。
社名は『平成祭データ』や兵庫県神社庁サイトによると「おおや」ですが、延喜式吉田家本は「オホイヘ」、中院家本は「オイヘ」と訓じています。『式内社調査報告』は現在(昭和末期)この地域の人はおおいえと言っているとしますが、令和の現在もそうであるかは不明。
『校補但馬考』は「和名抄に大庭郷有り、於保無波と訓す、蓋庭家字相似たり、因て以て誤れるか」とし、『大日本地名辞書』も「延喜式二方郡大家神社今二日市に在り、大庭大家同義にや」として、大家は和名抄に見える大庭郷から転じたものとしています。
現祭神は大己貴命。社伝によるもののようで、『兵庫県神社誌』『美方郡誌』がこれを採っています。
『神名帳考証』は大屋彦神とし、『特選神名牒』には「今按社伝祭神大屋彦命とあれど大家神と申すによりて妄りに付会せるものなるべし大家臣の祖先を祭れるにやあらん姓氏録に大家臣建内宿禰男之後也天智夷午年依居大家負大宅臣とある是也」とあり、大家臣の祖先を祀るとします。
『但馬神社系譜伝』は彦真倭命とします。
同書と『但馬故事記』にこの神は天道根命の孫で大家首の祖とあります。『新撰姓氏録』の右京神別下に「大家首、天道尼乃命孫比古摩夜真止乃命之後也」とあり、彦真倭命=比古摩夜真止乃命と思われます。
御朱印
御朱印の有無は不明。
アクセス
新温泉浜坂ICを道の駅方面(左手)に降り、すぐ南の栃谷北交差点(位置)を左折。次の七釜口交差点(位置)も左折し七釜温泉に入ります。橋を渡った先の分岐(位置)から900mほど北上すると左手に神社。
境内駐車可。
神社概要
社名 | 大家神社(おおやじんじゃ) | |
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通称 | – | |
旧称 | – | |
住所 | 兵庫県美方郡新温泉町二日市558-1 | |
祭神 | 大己貴命 | 現祭神 |
大屋彦神 | 『神名帳考証』 | |
大家臣の祖先 | 『特選神名牒』 | |
彦真倭命 | 『但馬神社系譜伝』 | |
社格等 | 式内社 但馬国二方郡 大家神社 旧村社 | |
札所等 | – | |
御朱印 | 不明 | |
御朱印帳 | – | |
駐車場 | あり | |
公式Webサイト | – | |
備考 | – |
参考文献
- 「二日市村」, 『日本歴史地名大系』(データベース「JapanKnowledge」)
- 「大家神社」, 神社本庁教学研究所研究室編『平成「祭」データ(CD-ROM)』全国神社祭祀祭礼総合調査本庁委員会, 1995
- 式内社研究会編『式内社調査報告 第十九巻 山陰道2』皇學館大学出版部, 1984