丹生神社。
香美町香住区浦上、柴山駅の北に鎮座。
式内社 丹生神社に比定される神社。
境内
社頭
鳥居
扁額
社号標
参道石段
狛犬
境内後方の山の中腹に、二反ほどの広い土地と石段の跡があり、当社の旧鎮座地とする説があります。
境内下から見上げた限りではそれらしき場所は見えず。
関係あるかはわかりませんが、神社の少し東に、山陰本線沿いに山の中へ入っていく道があり、航空写真で見るとその先に開けた場所が見えます。
社殿
社殿
扁額
境内社等
稲荷神社
社殿右手、棟続きになっている境内社(扁額には八幡社とありました)
由緒
社伝によれば、仁徳天皇元年(313)、美含県主仁良山命が丹生山に神籬を建て祀ったのが創祀。
その後元慶3年(879)、姓楓朝臣を賜り美含大領に任じられた従七位上若倭部氏世が祠を建てたとされます。
この社伝に基づけば当初の鎮座地は丹生山ということになりますが、現在丹生山という山は付近にありません。
ただ、現社地後方の山塊全体が「丹生神さん」と呼ばれていたという古老の話があり、中腹に二反ほどの広い土地と石段の跡がみられることから、そこを旧地とする説もあります。
かつては舟生神社とも呼ばれていたようです。
丹生ノ水門(柴山港)を舟生ノ水門とも云う、と『但馬世継記』に記載があるようで、ここに由来するものでしょうか。
延喜式神名帳にみえる「但馬国美含郡 丹生神社」は当社に比定されています。
『但馬国神社授位大帳』に「嘉祥四年正月廿七日授但馬国無位丹生神正六位上、醍醐天皇延長五年十二月列但馬国正六位上丹生神官社」。
元文4年(1739)に社殿改修、同時に丹生山から麓に遷宮。
明治6年村社列格。
現祭神は丹生津彦命、丹生津姫命、吉備津彦命。
『兵庫県神社誌』は丹生津姫命(調書建額明命吉備津彦命をも記すと注記あり)。
『但馬故事記』は建額明命、吉備津彦命、高野姫命とします。
寛延3年(1626)の『書上帳』は再生大明神(丹生大明神の誤記?)、高野大明神、吉備津大明神。
明治12年の『神社調書』は丹生津毘古命、丹生津比賣命、大山祇命。
御朱印
御朱印の有無は不明。
アクセス
柴山駅のすぐ北にあるので、県道11号で柴山駅を目指すのがわかりやすいと思います。
城崎温泉から県道11号、あるいは県道9号→11号とたどるか、豊岡から国道178号→佐津IC降りて北上→佐津交差点(位置)を左折して県道11号。
柴山駅の案内出ているところ(位置)を南に入りすぐ先の突き当りを左折すると神社。
駐車場はありません。
神社概要
社名 | 丹生神社(にゅうじんじゃ) | |
---|---|---|
通称 | – | |
旧称 | 舟生神社 | |
住所 | 兵庫県美方郡香美町香住区浦上字川東1185-2 | |
祭神 | 丹生津彦命 丹生津姫命 吉備津彦命 | 現祭神 |
丹生津姫命 建額明命 吉備津彦命 | 『兵庫県神社誌』 | |
建額明命 吉備津彦命 高野姫命 | 『但馬故事記』 『但馬神社系譜伝』 | |
再生大明神 高野大明神 吉備津大明神 | 寛延3年『書上帳』 | |
丹生津毘古命 丹生津比賣命 大山祇命 | 明治12年『神社調書』 | |
社格等 | 式内社 但馬国美含郡 丹生神社 旧村社 | |
札所等 | – | |
御朱印 | 不明 | |
御朱印帳 | – | |
駐車場 | なし | |
公式Webサイト | – | |
備考 | 旧地は境内後方の山の中腹 |
参考文献
- 「丹生浦上村」, 『日本歴史地名大系』(データベース「JapanKnowledge」)
- 「丹生神社」, 神社本庁教学研究所研究室編『平成「祭」データ(CD-ROM)』全国神社祭祀祭礼総合調査本庁委員会, 1995
- 式内社研究会編『式内社調査報告 第十九巻 山陰道2』皇學館大学出版部, 1984