狐瓜木神社。
牛田山の北、戸坂くるめ木に鎮座。芸備線戸坂駅の西約1.1km。
社殿が原爆の爆風による被害を受け、広島市の被爆建物に登録されている神社。
境内
社頭
一の鳥居
扁額
手水舎
二の鳥居
狛犬
社殿
拝殿
扁額
本殿
狐瓜木豊穂稲荷社
社殿左手に注連柱、鳥居
拝殿跡地
御殿
昭和二十年(一九四五年)八月六日原爆投下の時、その爆風をもろに受けて御殿、拝殿ともに倒壊する。
同年十月に解体し、その材木を使って右上の御殿を同月、再建する。屋根は本瓦がなくてセメント瓦だったが、平成二十一年(二〇〇九年)六月に本瓦に葺き替えた。
原爆の惨禍を示す遺跡として、当時の拝殿跡地をそのまま残している。
(狐瓜木神社も爆心地から約四.九キロ離れているが、爆風の衝撃で西側の柱が内側にめり込み、土壁が破れ、東の間の天井と、その屋根が突き抜けるなど大きな損壊を受けた。
由緒
祭神
本殿 誉田別命 帯仲彦命 息長帯姫命
相殿 志那都彦神 事代主神
本社が、志那都彦神、事代主神を勧請したのは貞観二年(八六〇年)である。
志那都彦神(風伯神)は風の神で、古事をひもどくにつれ、上古、此の一帯の土地は海であったことが実証されるとともに祭神との因縁は深いことがわかる。
事代主神は大国主神の御子で恵比須大神とも申し上げ漁村、農村、商家に多く祀られている。
狐瓜木神社は八幡宮とも呼ばれ、その八幡神三柱の神の勧請は、永観二年(九八四年)で当時、大神の御稜威により大陸から文化の移入が盛んであったので文化神として全国的に崇敬されている。文永十一年(一二七四年)武田信時が安芸国の守護職に封ぜられ狐瓜木神社を佐東郡の惣社とされた。
その後、大内義隆、毛利元就の領主は、それぞれ神田を寄進されている。浅野藩主は代々、祈願社とされ狐瓜木神社と深い縁故があった。
延享四年(一七四七年)一月、社殿回禄し宝物類を全焼した。現在の幣殿、拝殿は、文化二年(一八〇五年)に再建され、神殿は大正元年(一九一二年)に改築されたものである。
大正二年(一九一三年)十月には神社創建千年祭(一〇五三年相当)が盛大に執行された。
狐瓜木豊穂稲荷社は境内西側奥に鎮座されている。
社伝によれば、創建は貞観2年(860)。
志那都彦神、事代主神を勧請したことに始まるとされます。
現在本殿に祀られる八幡神三柱の勧請は永観2年(984)。
文永11年(1274)には安芸国守護職に封ぜられた武田信時が当社を佐東郡の惣社としました。
その後は大内義隆や毛利元就が神田を寄進、また藩主浅野氏の祈願社とされました。
延享4年(1747)に社殿焼失。
文化2年(1805)に再建後、本殿と幣殿は大正元年(1912)に改築。
昭和20年(1945)の原爆投下の際には、爆風の衝撃で西側の根太柱が内側にめり込み、西側の土壁が破れ、東の間の天井とその屋根が突き抜けるといった損害を受けました。
また、境内社の狐瓜木豊穂稲荷社に至っては社殿倒壊。
同年10月に解体、その材木を使い現在の社殿を再建しました。
なお、玄松子の記憶さんでは私見として、当社相殿祭神である志那都比古神=風伯神を日本三代実録 元慶7年(883)12月28日庚申条に「安芸国正六位上風伯神…従五位下」と見える風伯神にあてる説を挙げておられます。
『日本歴史地名大系』も同様に、当社祭神の風伯神が三代実録の風伯神であることを示唆しています。
御朱印
御朱印の有無は不明。なしとの情報も。
参道下に宮司さん宅と思われる家があったので、気になる方は伺ってみては。
アクセス
広島城の辺りから国道を北上し、祇園新橋南交差点(位置)で直進して国道を外れます(右側2レーンにいないと祇園新橋を渡らされてしまうので注意)。
700mほど先、戸坂くるめ木1丁目交差点(位置)を右に折れ、県道に沿うように北東に走る道に入ります。
すぐ先の分岐(位置)を右折。200mほど先の分岐(位置)を右折。
150mほどで参道下に出ます。県道外れてからの道はとにかく狭いのでお気をつけください。
以前は駐車場がなかったのですが、2019年頃?にできたようです。
境内東側にあります(位置)。参道下の分岐を左に入り50mほど。駐車場の前の道は一方通行なので、参道下の方からしか行けません。
神社概要
社名 | 狐瓜木神社(くるめぎじんじゃ) |
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通称 | – |
旧称 | 狐瓜木八幡社 八幡宮 |
住所 | 広島県広島市東区戸坂くるめ木1-1-20 |
祭神(本殿) | 誉田別命 帯仲彦命 息長帯姫命 |
祭神(相殿) | 志那都比古神=風伯神 事代主神 |
社格等 | 日本三代実録 元慶七年十二月廿八日庚申 風伯神 従五位下 旧村社 |
札所等 | – |
御朱印 | 不明(なし?) |
御朱印帳 | – |
駐車場 | あり |
公式Webサイト | http://kurumegijinja.la.coocan.jp |
備考 | – |
参考文献
- 「狐瓜木神社」, 『日本歴史地名大系』(データベース「JapanKnowledge」)
- 「狐瓜木神社」, 神社本庁教学研究所研究室編『平成「祭」データ(CD-ROM)』全国神社祭祀祭礼総合調査本庁委員会, 1995