伊勢久留麻神社(淡路市久留麻)

伊勢久留麻神社。

淡路市久留麻に鎮座。

式内社 伊勢久留麻神社に比定され、淡路国三宮とされる神社。

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境内

鳥居

 

社号標

 

注連柱

 

手水舎

 

狛犬

社殿

拝殿

 

扁額

 

本殿

境内社等

社殿向って右の境内社

辨天さん、愛宕さんと札が掛かっていました。

 

本殿左右に境内社

社名は不明。『兵庫県神社誌』の境内神社から消去法で判断すると、伊弉諾社と猿田彦社だと思われます。伊弉諾社の方は伊弉諾命・伊弉冉命の二神が祭神なので、おそらく写真一枚目が伊弉諾社、二枚目が猿田彦社ではないかと思います。

 

何かしら由緒の有る燈籠でしょうか

 

史蹟 第三代駒留松

駒留松は楠正成が参拝時に馬をとめたとも、祭礼に朝廷からの供進使の馬を繋いだとも言われ、千年松とも称された松。

『式内社調査報告』では近年枯死したとあるのですが、それが初代なのか二代目なのかは不明。

 

鳥居前の国道28号を渡って東に行くと稲荷社らしき神社があります

『兵庫県神社誌』にみえる境内社の稲荷神社でしょうか。

 

社殿

 

お狐さん

 

稲荷社からさらに海の方へ行くと御旅所があります。

由緒

由緒板(表)

伊勢久留麻神社

祭神 大日孁貴尊(天照大御神)

淡路国 三宮

延喜式神名帳 所載

第三十代敏達天皇御病気平癒

祈願の砌り(名)明神祭を奉祀。

快復されましたことにより「明神社」の称号を賜る。

古より由緒正しく崇敬の顕著な神々を選んで全國に二八五座指定される。

明治六年二月吉日 社格 正三位上 郷社に列格

明治七年再三、再四の禁止令が解かれ菊花紋章使用を許される。

明治四五年七月吉日 神饌幣帛指定神社

 

由緒板(裏)

御神徳

商売繁盛 豊漁大漁 五穀豊穣 安産祈願 合格祈願 病氣平癒 福寿福徳 開運招福 除災求福

七福・八運・八宝・十徳

お祭り行事

一、毎年二月三日吉日節分祭

立春前夜祭を斎行します。

厄祓い男衆による餅撒を盛大に行います。

島内・外の多数の人々に福餅が渡って大変なにぎわいです。

二、五月五日子供の日例大祭を実施。

だんじり祭りです。

乙女衆によるギャル神輿

厄祓男衆による神輿

各町内会だんじり、引きだんじり等でにぎわいます。

島内、島外、善男善女の沢山の人々に美送られて、旧宮跡地、御旅所へ渡御。祝詞を捧げて、玉串奉奠。

天佑神助を信じて、弥栄を祈ります。

二柱の神、天の浮橋渡り来ておのころ島をつくりはやする。

 

伊勢久留麻神社の由来

伊勢久留麻神社は、遠く伊勢ノ国久留真より勧請せるものと言われ祭神は大日孁貴尊と称され敏達天皇の頃(五七二~五八五)と言われ、延喜式(九二七年完成)には淡路十三社の三番目に明記されている

その為淡路イザナギ神宮を一の宮としこの神社は、三の宮とも言う。

昭和五十五年二月十一日建国の日にNHKテレビが特別番組として「知られざる古代~謎の北緯三十四度三十二分を行く」で西のお伊勢さんとして紹介したので俄然全国的にも有名となったものである。

創建時期は不詳ですが、社伝によれば敏達天皇の頃(572~585)に伊勢国奄芸郡の久留真神社から勧請に始まるとされます。

往古、当地は入江であったようで、当社の鎮座地も異なっていた可能性があります。

『日本の神々』では、当社背後の山の端にある大歳遺跡の存在に言及し旧鎮座地である可能性を仄めかしています(明言はしていない)。大歳遺跡の場所は当社の西900mあたりで、下記リンク先の930041(大体この辺)。

 

 

社頭由緒書の神輿巡行先に旧宮跡地とあるのですが、ここへ巡行するのでしょうか。

 

社名(地名)の「久留麻(往古は来馬)」は呉織の意味とか、遷宮使の乗馬来るの意味とかいった説があります。あるいは久留真神社から勧請されたとのだとすれば単にそこからかもしれません。

 

新抄格勅符抄に「来馬神 二戸淡路」とみえる来馬神、延喜式神名帳にみえる「淡路国津名郡 伊勢久留麻神社」は当社に比定されています。

延喜式神名帳の淡路十三社の三番目に記載されているため淡路三宮とされる、とのことですが、実際は神名帳での順番は二番目。

淡路国大田文にみえる来馬庄の伊勢宮も当社を指すとみられます。

 

明治6年郷社列格。

 

当社は「北緯34度32分線上(いわゆる太陽の道)」にあることから昭和55年にTVで取り上げられ、西のお伊勢さんとして有名になったとのこと。この線上には伊勢斎宮跡、箸墓古墳、三輪山、大鳥神社等があり、淡路では舟木の石上神社があります。太陽信仰に関連するのだとも言われているようです。ただ厳密に言うと当社の緯度は北緯34度31分なので、若干外れてはいます(誤差か)。

御朱印

御朱印はあります。

松帆神社で拝受可。

 

アクセス

東浦ICを降りて東(志筑・岩屋方面)に進み国道28号に出て、南下。

1.5kmほど行くと右手に鳥居があります。

鳥居を潜って参道脇が駐車場。

神社概要

社名伊勢久留麻神社(いせくるまじんじゃ)
通称
旧称

伊勢宮

来馬大明神

住所兵庫県淡路市久留麻字神田2033
祭神大日孁貴尊
社格等

式内社 淡路国津名郡 伊勢久留麻神社

淡路国三宮

旧郷社

札所等
御朱印あり
御朱印帳
駐車場あり
公式Webサイト
備考旧地は大歳遺跡?

参考文献

  • 「伊勢久留麻神社」, 『日本歴史地名大系』(データベース「JapanKnowledge」)
  • 「伊勢久留麻神社」, 神社本庁教学研究所研究室編『平成「祭」データ(CD-ROM)』全国神社祭祀祭礼総合調査本庁委員会, 1995
  • 式内社研究会編『式内社調査報告 第二十三巻 南海道』皇學館大学出版部, 1987
  • 谷川健一編『日本の神々 神社と聖地 第三巻 摂津・河内・和泉・淡路』白水社, 1984
  • 明治神社誌料編纂所編『府県郷社明治神社誌料 上巻』明治神社誌料編纂所, 1912(国会図書館デジタルコレクション 394コマ