笶原神社東宮。
南あわじ市八木徳野、農地の一角に鎮座。八木徳野に二社ある笶原神社の一社（東宮）。
式内社 笶原神社の論社。
本来の社名は「笶原」のはずで、社号標等もそうなっていますが、法人名は「笑原」。
境内
鳥居
境内から300m弱南にあります。
鳥居篇額
鳥居の手前に御旅所
鳥居と御旅所
境内
社号標
手水鉢
狛犬
本殿脇の狛犬
社殿
拝殿
本殿
境内社等
広峯社
石祠
社日塔
由緒
創建時期は不詳。
八木徳野地区（かつては八木笶原徳野という地名だった）には笶原神社が二社あるのですが、『淡路国大田文』に「笶原宮一所」とあり、鎌倉時代には一社であったようです。
東宮（当社）と西宮に分かれた時期は不明。
西宮とならび、延喜式神名帳にみえる「淡路国三原郡 笶原神社」の論社。
ただ、『淡路草』は「或は曰ふ、野原神社二社あり。小き方を正とす。然るに近世愚僧の計にて、大なる社前矢原神社の額を掛たり。是等も後世に至らば小社真を失ふて贋となるべし（小き方…西宮、大なる社…東宮）」「村民当社（西宮）を以て笶原の本社とし東なるは上の社と云て後に祭りし也とも云ふ。上の社は檀も大きく作りし也」と、西宮を元社としています。
明治6年、村社列格。『八木村誌』はこの頃に西宮が東宮に合祀されたとしますが、その真偽は不明のようです（現在も西宮は独立して存在するので、合祀が事実とすれば後に分祀されたか）。
当社の社名は延喜式の表記や旧地名から「笶原」が本来のはずなのですが、『兵庫県神社誌』や『平成祭データ』は「笑原」としており、宗教法人としての登記も「笑原」。
漢字が似ているので、珍しい「笶」を「笑」に見間違えてしまったのでしょうか。
祭神は素盞鳴命（月読命、少彦名命を合祀）ですが、『淡州神社考』は先代旧事本紀に「物部麻作連公笶原連等祖」とあることから、物部麻作連を祭神ではないかとする説を挙げています。
御朱印
御朱印の有無は不明。
アクセス
洲本ICの方から国道28号を南西に向かい、養宜上交差点（位置）で西に入り県道126号へ。
1.6kmほど先の野原東交差点（位置）で北へ。
2つ目の角（位置）を西に入ると鳥居があります。
駐車場はありません。鳥居手前にスペースがあるのでそこか、あるいは境内隅に停めるかです。
神社概要
| 社名 | 笶原神社〔東宮〕（やはらじんじゃ）※ | |
|---|---|---|
| 通称 | – | |
| 旧称 | 笶原大明神 十日明神 東宮明神 矢原神社 | |
| 住所 | 兵庫県南あわじ市八木徳野190 | |
| 祭神 | 素盞鳴命 | 現祭神 |
物部麻作連 | 『淡州神社考』 | |
| 合祀 | 月読命 少彦名命 | |
| 社格等 | 式内社 淡路国三原郡 笶原神社 旧村社 | |
| 札所等 | – | |
| 御朱印 | 不明 | |
| 御朱印帳 | – | |
| 駐車場 | なし | |
| 公式Webサイト | – | |
| 備考 | – | |
※登記上の法人名は「笑原神社」
参考文献
- 「笶原神社・笶原西宮神社」, 『日本歴史地名大系』（データベース「JapanKnowledge」）
- 「笑原神社」, 神社本庁教学研究所研究室編『平成「祭」データ（CD-ROM）』全国神社祭祀祭礼総合調査本庁委員会, 1995
- 式内社研究会編『式内社調査報告 第二十三巻 南海道』皇學館大学出版部, 1987
