鶴羽神社。
さぬき市津田町鶴羽、JR鶴羽駅の少し西側に鎮座。
式内社 多和神社の論社。
境内
鳥居
扁額には鶴羽大明神とあります。
拝殿手前の石段
狛犬
社殿
拝殿
左に社務所らしき建物
本殿覆屋
石碑等
拝殿脇の社日塔
本殿後ろに保食神の碑
こちらも本殿後ろに石碑
詳細不明。
由緒
創建時期は不詳。
『香川県神社誌』によれば、かつて日本武尊の霊が白鳥と化して讃岐に飛来した際、この巌上で休んだ後大川郡松原(白鳥神社?)へ飛び去った。巌上には羽一片が残っており、里人がこれを以って尊を祀り鶴羽明神としたのが当社の創始であり、鶴羽の地名もここから起ったとのこと。
また、当社鎮座地は海岸に突出した大きな巌だったが、歳月を経て海が埋まり小丘状になったそう。
延喜式神名帳にみえる「讃岐国寒川郡 多和神社」に当社をあてる説があります。
この説は、康治2年(1143)8月19日付の太上官牒に、寒川郡内の富田庄の四至に「北は多和崎・神前両堺山峯を限る」とあるから、多和の地は富田の北、すなわち今の津田町と鶴羽村でなければならず、多和神社も津田町内に求められる…とする『新修香川縣史』によって主張されたもの。
しかし、旧鶴羽村を含む津田町内に多和神社に比定されるような神社はなく、当社や大森神社と推定する説はあるものの、何ら根拠はなく、社伝もそれらしきことは伝えていないとのこと。
当社が式内 多和神社だとすると、三代実録 元慶元年3月4日乙巳条にみえる多和神もまた当社である可能性もあります。
現地には特に式内社を示すような掲示はなし。住宅地にひっそり佇む小社といった趣です。
香川県神社誌
津田町郷社石清水八幡神社境外摂社。当社鎮座地は元海岸に突出せる一大巌なりしが、歳月を経るまゝに海漸く埋まりて小丘の状となれり。往昔日本武尊の霊白鶴と化して讃岐に飛来し、この巌上に憩ひて後大川郡松原に飛び去る。白鶴の飛去りしあとの巌上に羽一片を残せり。里人之を以て尊を祀り鶴羽明神と称す。地名鶴羽亦これに依て起れりと云ふ。全讃史に『伝云以白鳥大明神所騎鶴羽為主今為一村之社也』とあり。
御朱印
御朱印の有無は不明。
津田町の石清水八幡神社(さぬき市津田町津田106)の境外摂社のようなので、確認するとしたらそちらでしょうか。
アクセス
県道11号沿い、津田町多目的研修集会施設なる建物の脇(位置)を入ったところにあります。
駐車場はありません。周りは住宅地で道も狭いため車を停める場所には難儀するかもしれません。
神社概要
社名 | 鶴羽神社(つるわじんじゃ) |
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別名 | 鶴羽大明神 |
旧称 | – |
住所 | 香川県さぬき市津田町鶴羽 |
祭神 | 日本武尊 |
社格等 | 式内社 讃岐国寒川郡 多和神社 日本三代実録 元慶元年三月四日乙巳 多和神 従五位上 津田町郷社石清水神社境外摂社 |
札所等 | – |
御朱印 | 不明 |
御朱印帳 | – |
駐車場 | なし |
公式Webサイト | – |
備考 | – |
参考文献
- 梶原藍水『古今讃岐名勝図絵』高松製版印刷所, 1930(国会図書館デジタルコレクション 60コマ)
- 香川県教育委員会『新修香川県史』香川県教育委員会, 1953
- 香川県神職会編『香川県神社誌 上巻』香川県神職会, 1938(国会図書館デジタルコレクション 119コマ)
- 式内社研究会編『式内社調査報告 第二十三巻 南海道』皇學館大学出版部, 1987