杉山神社旧地。
横浜市都筑区大棚町、大棚公民館の裏手に鎮座。
式内社 杉山神社の論社とされる大棚中川杉山神社の旧地とされる場所。
境内
大棚公民館
中川小学校入口交差点の北側にあります。
公民館と倉庫の間の細い道を入ると…
奥に鳥居と祠
鳥居
郷社杉山神社蹟碑
庚申塔?
祠近くの木
手前の石碑に「○○○○○(読めない)百日紅」とあるので百日紅だと思います。
社殿
祠
由緒
郷社杉山神社御蹟地下大棚青年会ニテ借受ケ大正四年二月開墾当時養蚕奨励為都筑郡農会ヨリ桑苗配付ヲ受模範桑園ヲ新設シ爾来共同一致其栽培ニ勤メ年々其利潤ヲ以テ基本財産ヲ蓄積スルコト少ナカラズ然レドモ樹勢漸次減退シテ収支意ノ如クナラザルニ至故ニ総会決議ニヨリ開墾ヲナシ時勢ノ新運ニ鑑シ竹林ヲ新設スルコトナリ昭和三年五月設置ス同年十一月十日京都ニ於テ御即位大礼挙ゲサセ給ヒ国民最高奉祝ノ時ニ当リ旧郷社御蹟地ヲ永遠ニ追敬シ併セテ茲ニ記念碑ヲ建設ス
由緒については大棚中川杉山神社の項を参照。
当地は大棚中川杉山神社がかつて鎮座していたとされる場所。
『大棚根元考糺録』に「伝聞古の祠は後山に在しを一旦回禄に因て今の処に移と云、斯根本の清地を捨る事其時の司人の不覚より発事にて是非もなし、旧社の跡と云伝て山の半腹にあり、自然に損変してさのみ平ならず、漸の形残れり、今は者の持山となり社地も悉く滅神領も失廃といえども、往古の通り神社号を賜事実に尊き事共なり」とあり、元は裏手にある山(というか丘)の中腹に鎮座しており、いつの頃火災に遭ったために山を下りたようです。
『杉山神社考』は旧地を「杉の森の青年クラブ所在地背後の丘」としています。「杉の森の青年クラブ」=大棚公民館でしょうか。
下記のサイトによると、明治45年に中川町1084に移転したといいます。
どちらのサイトも旧地を大棚町477としており、現地に旧跡碑もあることからおそらくここに神社があったのでしょうが、正確なところはわかりません(龍福寺付近・杉の森とする記述も多くみられる。杉の森はこの地域の古い名だという。現在も近くに大棚杉の森ふれあい公園という公園がある)。
『杉山神社考』が載せる氏子総代の言によれば、この遷座の理由は村の中央であるとか、経済上の関係からだとのこと。「丘上より丘下にうつしたのさえ時の司人の不覚といった栗原恵吉の気持を、氏子の人々が察したならば此の三遷は実行されなかったであろう」と同書は批判します。
なお同書は明治45年の移転先を吾妻山としています。発行年の昭和31年は港北ニュータウンができる前なので、中川町1084(=現・中川中央1-9?)のあたりも吾妻山の山裾だったのかもしれません。
御朱印
旧地なのでないと思います。
アクセス
横浜市営地下鉄のセンター北、センター南どちらの駅からも徒歩20分弱。
どちらの駅も近くにハローサイクリングのステーションがある(北はファミリーマート センター北駅前店、南はファミリーマート スリーウェル茅ヶ崎東店)ので、自転車を借りれば楽に行けます。県道13号は交通量多い上に路肩・歩道が狭いので別の道を使うのが安全です。
車の場合、駐車場はありません(公民館の敷地に入ることはできますが、消防団倉庫のシャッター前なので)。
目の前にコインパーキングあり(位置)。ただし狭く満車の可能性あり。
また料金600円/24hのみなのでここだけお参りする分にはコスパが悪いです。中川や茅ヶ崎、勝田の杉山神社をぐるっと回るのならここを起点にするのもありかも。すぐ東のファミリーマート 都筑大棚町店にハローサイクリングのステーションもあります。
神社概要
社名 | 杉山神社〔旧地〕(すぎやまじんじゃ) |
---|---|
通称 | – |
旧称 | – |
住所 | 神奈川県横浜市都筑区大棚町477 |
祭神 | 日本武尊(?) |
社格等 | 式内社 武蔵国都筑郡 杉山神社 続日本後紀 承和五年(八三八)二月庚戌(廿二) 枌山神社 預之官幣 続日本後紀 承和十五年(八四八)五月庚辰(廿二) 枌山名神 従五位下 旧郷社 |
札所等 | – |
御朱印 | なし |
御朱印帳 | – |
駐車場 | なし |
公式Webサイト | – |
備考 | 大棚公民館裏手の丘→大棚公民館(当地)→都筑区中川町1084→吾妻山山頂→現社地と遷座 |
参考文献
- 戸倉英太郎『杉山神社考』緑区郷土史研究会, 1978