八幡神社〔樺八幡神社〕(福井市中手町)

八幡神社。

福井市中手町(旧美山町中手)に鎮座。通称、樺八幡神社。

式内社 椛神社の論社。

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境内

社頭

 

社号標

 

一の鳥居

 

二の鳥居

 

手水舎

 

三の鳥居

 

古拝殿

 

古拝殿の碑

 

文化財案内札

有形文化財 樺八幡神社

木造 多聞天王立像 一軀

寄木造り 像高一六七センチ、全体的に姿態は腰を少しひねって立ち頭に比べ腰部が大きいか

気はくに満ちた地方作ではきわめて優秀な藤原時代の作

 

有形文化財 樺八幡神社

木造 大鷦鷯尊座像

昭和二十九年十二月三日県指定

像高五〇糎、一木彫成の素朴清純な精神と、古代風俗を写実的に表現し、気品に満ちている藤原時代の作品

 

有形文化財 樺八幡神社

建造物 古拝殿 一棟

昭和二十八年三月十九日県指定

茅葺、単層四柱造り、角柱二本、他は円柱、隅柱に素朴な唐草文の木鼻がある、鎌倉から南北朝時代の伊自良氏の文化を知る貴重な遺構である。

 

文化財案内札

有形文化財 樺八幡神社

木造 息長垂姫命座像一体

昭和二十九年十二月三日県指定

像高四八糎、寄木造り、息長垂姫は神功皇后のこと、目を閉じ童顔の少女期の表情で髪を左右振り分け長くたれ座面まで達していて上古貴婦人の姿を知る藤原時代前期の作

 

有形文化財 樺八幡神社

木造 阿彌陀如来坐像一軀

寄木造り像高一八〇センチ、胴体部は巨大な一木を用い、螺髪(らはつ)は切りつけ、白毫も木でつくられ、地方には珍らしい本格的作で藤原時代の作

 

有形文化財 樺八幡神社

木造 広目天王立像一軀

寄木造り、像高一七〇センチ、表面は砥粉(とのこ)を厚く塗り原色的彩色があるが、以前は胡粉(ごふん)で下地をつくった美しい彩色の面影が残っている藤原時代の作

 

境内裏手、上味見川と橋

社殿

拝殿

 

本殿

 

扁額

 

本殿前の狛犬

 

拝殿・本殿間の木々

境内社等

神明神社

 

神明神社

素木 入母屋 妻入造

創立は鎌倉期か 天保五年再建

御祭神

天照皇大御神(伊勢内宮)

豊受大御神(伊勢外宮)

由緒

由緒札

樺神社・延喜の制・大野郡九座の内

味美郷総社・養老三年・天平七年越の大徳泰澄大師創建と伝承

中世八幡大菩薩・八幡宮・明王院

御祭神

八幡大神 誉田別尊(應神天皇)

仲津姫尊(應神皇后)

息長垂姫尊(應神母神功皇后)

大鷦鷯尊(若宮仁徳天皇)

建御名方富尊(諏訪明神)

祭禮 九月十五日 他不詳

伝承によれば創建は養老年間(717~24)。

泰澄大師による建立とされます。

社殿の由緒札には養老3年(719)・天平7年(735)と並記されています。両説があるのでしょうか。

 

延喜式神名帳にみえる「越前国大野郡 椛神社」の論社とされています。

 

『深山木』によれば、往古は池田川(足羽川)の畔、川原村の北の山の尾さきにあり、応神天皇、神功皇后、武内大臣の三柱を祀っていたのが、いつの頃にか応神天皇を中手に、神功皇后を東河原に、武内大臣を野津又に分祀したといいます。

 

中世には当地を領した伊自良氏の崇敬を受け、その外護のもとに高い文化がもたらされたとのこと。

当社の蔵する永正18年(1521)の狛犬銘には味見郷総社とあります(『日本歴史地名大系』はこの狛犬について「本殿の向拝にある」としますが、現在置かれている狛犬とは別物。近年、県指定有形文化財となったようです→石造狛犬(永正十八年銘))。

江戸中期、大木の下若宮社、スワノモト、須波明神を吸収奉斎(『福井県神社誌』による。おそらく「大木の下若宮社」と「スワノモトの須波明神」を合祀したという意味。スワノモトは名前からしても須波明神があった地名なんでしょうが、区切りが変なので大木地区に下若宮社、スワノモト社、須波明神社があったようにも読めてしまう…)。

 

明治9年村社列格。『福井県神社誌』によるとこの時は神仏混交のままだったといいます。

明治44年、河内住吉神社、神当部八幡神社、南野津又八幡神社、小当見春日神社、西市布八幡神社を合祀。

昭和21年、上記5社を旧地に分祀。

 

現祭神は誉田別尊。

境内の由緒札によると、誉田別尊、仲津姫尊、息長垂姫尊、大鷦鷯尊、建御名方富尊。

大鷦鷯尊、建御名方富尊は、江戸期に合祀された下若宮社と須波明神の祭神だと思われますが、仲津姫尊、息長垂姫尊が祭神に加えられた経緯は不明。

御朱印

御朱印はあるようです。

古拝殿に印(セルフ押印)がある、また書置き(墨書きあり)があるとの情報あり。

アクセス

福井市中心部から国道158号(中部縦貫自動車道ではない本線)で東へ。

美山駅付近(位置)で南に折れ県道2号へ。

5km強で国道476号とぶつかるので(位置)、左折し足羽川を渡って東へ。

5kmほど先(位置、確か案内板あり)で南に折れて道なりに進むと社頭にでます。

参道脇に駐車可。

神社概要

社名八幡神社〔樺八幡神社〕(かばはちまんじんじゃ)
通称
旧称

八幡宮

八幡大菩薩

八幡社

八幡宮明王院

住所福井県福井市中手町20-27
祭神誉田別尊
合祀(?)

仲津姫尊

息長垂姫尊

大鷦鷯尊

建御名方富尊

社格等

式内社 越前国大野郡 椛神社

旧村社

札所等
御朱印あり
御朱印帳
駐車場あり
公式Webサイト
備考旧地は川原村の北の山の尾さきという

参考文献

  • 「八幡神社」, 『日本歴史地名大系』(データベース「JapanKnowledge」)
  • 「八幡神社」, 神社本庁教学研究所研究室編『平成「祭」データ(CD-ROM)』全国神社祭祀祭礼総合調査本庁委員会, 1995
  • 式内社研究会編『式内社調査報告 第十五巻 北陸道1』皇學館大学出版部, 1986
  • 福井県神社庁編『御大典記念福井県神社誌』福井県神社庁, 1994