天村雲神社。
吉野川市山川町村雲、JR徳島線の線路沿いに鎮座。
式内社 天村雲神伊自波夜比売神社二座の論社。
境内
社頭
鳥居
狛犬
小さめかつ台座が低い。
手水鉢
境内すぐ横の線路と、線路越しに見える高越山
社殿
拝殿
扁額
「式内社 忌部神社 天村雲神社」
本殿
境内社等
境内の石祠
社日塔
境内の大きな木
社殿を背に参道を東へ進むと突き当りに御旅所
由緒
創建時期、由緒は不詳。
延喜式神名帳にみえる「阿波国麻殖郡 天村雲神伊自波夜比売神社二座」の論社とされています。
なお、延喜式神名帳の記載では忌部神社から改行のあと数段下げて「天村雲神伊自波夜比賣神社二座」と書かれており、これは忌部神社の摂社としての社格を表現していると解されています。
祭神は天村雲命と伊自波夜姫命。
天村雲命を天五多底命(あめのいだてのみこと)とする説があります。
それによれば和名抄に見える射立郷はこの神を中心に成立したと考えられ、現在付近に残る湯立の地名は射立の転訛だとも。
見ていませんが、境内東南隅には旱天にも涸れぬという泉が湧いている(いた?)模様。
旱魃の際には雨乞いを祈願するならわしもあったとのこと。
志賀剛氏の『式内社の研究』によれば、「天村雲神は雨神であり、伊自波夜比賣神は水のイヅムことを早からしめる姫神で二神は天地の水神を意味する」とあります。
(『式内社調査報告』は上記内容を同氏の『古代村落より見たる式内社の研究(八)』から引用していますが、この本は香川県立図書館や徳島県立図書館くらいしか置いていないらしく、確認できていません)
御朱印
御朱印の有無は不明。
アクセス
国道192号から南の脇道に入るのですが、交通量が多い上に、脇道は狭いのでそこから出てくる車がいると支えてしまう可能性があります。
東から来るなら、山川橋の西詰(位置)で左折(脇道の出口が多少広くなっているので出てくる車があっても離合できる)。200mほど先の踏切手前で右に折れて下ると、右手に御旅所があります。そこを左手に折れて直進で神社。
西から来るなら、山川町北島交差点(位置)で左折、450mほど先で右折。その先国道の下を潜って進むと、左手に御旅所がありますので、そこを右折して進めば神社。
駐車場はないですが、境内に停められます。行き止まりの場所にあるので、社頭に停めても特に迷惑になったりはしない…とは思います。
神社概要
社名 | 天村雲神社(あめのむらくもじんじゃ) |
---|---|
通称 | – |
旧称 | – |
住所 | 徳島県吉野川市山川町村雲133 |
祭神 | 天村雲命 伊自波夜姫命 |
社格等 | 式内社 阿波国麻殖郡 天村雲神伊自波夜比売神社二座 旧無格社 |
札所等 | – |
御朱印 | 不明 |
御朱印帳 | – |
駐車場 | なし(境内駐車可) |
公式Webサイト | – |
備考 | – |
参考文献
- 「東川田村」, 『日本歴史地名大系』(データベース「JapanKnowledge」)
- 「天村雲神社」, 神社本庁教学研究所研究室編『平成「祭」データ(CD-ROM)』全国神社祭祀祭礼総合調査本庁委員会, 1995
- 志賀剛『式内社の研究 第1巻 概論・南海道』雄山閣, 1987
- 式内社研究会編『式内社調査報告 第二十三巻 南海道』皇學館大学出版部, 1987
- 徳島県神社庁教化委員会編『改訂 徳島県神社誌』徳島県神社庁, 2019