神崎神社(琴浦町大字赤碕)

神崎神社。

琴浦町赤碕に鎮座。

鳥取県保護文化財第一号に指定されている、見事な彫刻を施された本殿のある神社。

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境内

海側から上ってきたところの石段

 

境内

 

鳥居

 

手水舎

 

狛犬(片割れだけ)

 

狛犬

 

拝殿

拝殿

 

扁額

 

向拝天井の龍

 

拝殿扉の彫刻

本殿

本殿

 

本殿彫刻

 

県指定保護文化財

(建造物)神崎神社本殿(指定年月日 昭和27年9月15日)

(彫刻)神崎神社の本殿、拝殿(指定年月日 昭和27年9月15日)

一、向拝天井の龍 一、木端の獅子その他一切 一、扉

神崎神社の創建由緒は不詳であるが、一説には室町時代末期の創建とも言われている。江戸時代には三宝大荒神と呼ばれ、明治初年に神崎神社と改称した。素戔嗚尊を祭神とし、古来より牛馬の守護神として、また地元の海運水産の神として信仰を集めてきた。

現在の本殿は、鳥取藩御抱大工であったとされる鳥取の小倉園三郎、地元の伊藤政四郎と伊藤作右衛門を中心に嘉永6年(1853)に建てられ、近年では平成26年から2ヵ年かけて修理が行なわれた。拝殿は園三郎の孫の平次郎が中心となり明治12年(1879)に完成し、平成16年に改修された。本殿は主に欅材が用いられ、檜皮葺きの屋根は一間社入母屋造の正面に千鳥破風を備え、奥行き一間の向拝を設ける。三段に重ねられた組み物で大きく軒や腰組を張り出し、建物全面に縁起物や花鳥などの彫刻がダイナミックに施されている。

拝殿の向拝まわりには、神功皇后と武内宿祢、竜宮城と浦島太郎をはじめ、本殿同様に彫刻が多く施され、特に天井一面に施された龍の彫刻は圧巻である。

また、元禄15年(1702)の三宝荒神建立の棟札をはじめとする、近世のもの19枚と彫刻の下絵の一部が伝えられている。

境内社等

恵美須神社

 

菅原神社

 

3体並んだ牛

 

荒神稲荷神社

 

お狐さん(破損)

 

靖霊神社

 

神輿庫

波しぐれ三度笠

神社下の菊港突堤に、「波しぐれ三度笠」という石造彫刻が建っています。

 

菊港

 

菊港の由来

明暦三年(一六五七)の江戸大火の折、鳥取藩の藩邸が焼失してしまったため、鳥取藩では赤崎村の大庄屋役の河本長兵衛に材木の調達を命じた。そこで、長兵衛は泉州の堺から大きな船を買い入れ、この港から材木を江戸に運んだ。菊港が現在のような港に修築されたのはこの時のことである。

河本長兵衛の妻は松江城主堀尾吉晴の孫姫で、菊姫と言い、長兵衛との間に出来た弥四郎は堀尾姓を名乗り、長兵衛の後を継いで海運業を営んだので、この港を次第に「菊姫の港」(菊港)と言い慣わすようになった。

こうした史実にもとづき、新しい橋を「菊姫橋」と名づけ、欄干の模様には松江城主の堀尾家の家紋をもとにデザインした。そして菊姫が所持していた長刀には青貝の螺鈿細工が施してあるので、橋名板に螺鈿風の装飾を取り入れた。

 

波しぐれ三度笠

 

観測機器みたいなもの

 

「波しぐれ三度笠」

この波止場の先端に建立された彫刻は、彫刻家流政之先生が、ここ菊港にまつわる歴史に深い関心をよせられ、三体の旅姿の像を製作されました。

寛政年間に築かれた菊港は、千石船の寄港地であり、江戸時代には藩米の積出し港として栄えた古い港です。

板子一枚下は地獄の、日本海の荒波を乗り越えて往き来した、たくましい海の男達、それを送り迎えた港の人々、そんな人々の生きざまや、哀歓を刻り上げられたのがこの彫刻「波しぐれ三度笠」です。

三度笠は旅を表わし、旅は人生そのものを表わしています。北東に向って立つ彫刻は、見る人それぞれに深い想いをいだかせ、晴れた日、曇の日、嵐の日、又、四季それぞれに表情を変えて我々に生きる希望と勇気を与えてくれます。

これは日動画廊の長谷川徳七社長が、御母堂林子氏の生地発展の為にと寄せられた寄附金を基に、町と県の協力によって実現したものです。

由緒

創建時期は不詳。

一説には室町時代末期の創建とも。

 

江戸時代には三宝大荒神・三穂大明神と称されていました。

また天乃神奈斐神社と中の宮、当社を東の宮と称したとも。

 

 

明治初年に神崎神社に改称。

牛馬の守護神として信仰を集め、牛馬の飼育が盛んだった昭和10年代頃は、月例祭に臨時列車が仕立てられるほどだったといいます。

 

昭和27年、本殿が県指定保護文化財の第一号に、本殿・拝殿の彫刻が第二号にそれぞれ指定されました。

御朱印

御朱印はあります。

社務所に書置きが用意されています。

アクセス

赤碕駅か八橋駅前からバスで荒神町バス停降車、徒歩5分程度。

ただし本数は多くありません。

 

車なら国道9号から脇道に入り(位置、神崎神社入口の看板あり)、境内南東隅辺り(位置)から境内に乗り入れ、駐車可。

神社の北100mあたりの菊港手前にも町営の無料駐車場があります(位置)。

神社概要

社名神崎神社(かんざきじんじゃ)
通称
旧称

三宝大荒神

三穂大明神

住所鳥取県東伯郡琴浦町大字赤碕210
祭神素戔嗚尊
社格等旧無格社
札所等
御朱印あり
御朱印帳
駐車場あり
公式Webサイトhttp://kanzakijinjya.com/
備考本殿は県指定保護文化財の第一号、本殿・拝殿の彫刻は第二号

参考文献

  • 「神崎神社」, 『日本歴史地名大系』(データベース「JapanKnowledge」)
  • 「神崎神社」, 神社本庁教学研究所研究室編『平成「祭」データ(CD-ROM)』全国神社祭祀祭礼総合調査本庁委員会, 1995
  • 鳥取県神社誌編纂委員会編『新修鳥取県神社誌 因伯のみやしろ』鳥取県神社庁, 2012
  • 鳥取県神職会編『鳥取県神社誌』鳥取県神職会, 1935(国会図書館デジタルコレクション 204コマ