穴石神社(伊賀市石川)

穴石神社。

伊賀市阿山支所の北西2kmほど、石川に鎮座。

式内社 穴石神社の論社の一社。

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境内

社頭

 

社号標

 

一の鳥居

 

太神宮と刻まれた燈籠

 

鐘楼

 

二の鳥居

 

手水舎

 

狛犬

 

木造狛犬

高さ54cmの着色された阿吽一対の狛犬である。

後頭部内に墨書銘があり、元和六年(一六二〇)に河合重種と戌亥(乾)孫七郎および氏子八十余名が奉納したもので、江戸初期の秀作である。

木造狛犬は見当たらなかったので、どこかに保管してあるのかと思われます。

社殿

拝殿

 

扁額

 

幣殿

 

本殿

境内社等

本殿左の境内社

 

手前に何かが彫られた石

 

社殿右手の境内社

 

神宮遥拝所と宮城遥拝所

 

社務所?

 

参道沿いの道に建つ愛宕神社

 

石造宝篋印塔

2016年に相輪(上の細く伸びている棒状のところ)が盗難に遭ったそうです。

↓相輪があった時の写真が載っているサイト

 

案内板

石造宝篋印塔

この宝篋印塔は、青岳山にあった毘沙門寺から移されたもので、基礎には、五行の刻銘があり、南北朝中期「延文四年(一三五九)一月十五日」の造立銘が確認された。

由緒

創建時期は不詳。

当社は元より当地に鎮座していたようです。

三代実録 貞観元年(859)正月27日条に穴石神が無位から従五位下に昇叙されたことが見えます。

 

時期は不明ですが、波敷野村(現伊賀市波敷野?)にあった石川・波敷野両村の総社、天津社が両村に分祀されることとなり、波敷野では御神体を、石川では御神宝を(御神体として)祀りました。

この際、石川ではこれを穴石神の地に祀り天津社と称したため、穴石社の社号が隠れてしまったのではないか、と言われています(『標註伊賀名所記』)。

なお、波敷野の天津社は、明治41年に陽夫多神社に合祀されています。

 

 

当社(というより天津社以前に当地にあった神社)を穴石社とする説は『三国地誌』『大日本史』『特選神名牒』等で採られています。

延喜式神名帳にみえる「伊賀国阿拝郡 穴石神社」に関しては論社がいくつかありますが、当社が最有力説のようです。

 

明治4年村社列格、明治9年社殿造営。

 

現在の祭神は木花佐久夜比売命・天津児屋根命・天長白羽命・天香香背男命。

『特選神名牒』では穴石は穴師と同じとして、穴師坐兵主神社同神、素盞嗚神とします。

『三重県神社誌』では、新撰姓氏録和泉国神別に「穴師神主天富貴命五世孫古佐麻豆智命之後也」とあり、また延喜式神名帳に見える穴師を冠する神社を挙げ、これらは穴師の氏人が祖神を祀ったところで大和の穴師坐兵主神社と穴師大兵主神社がその本源であるとし、当社も穴師の氏人が祀ったもので、祭神は古佐麻豆智命であろうとします。

これらは穴石=穴師とみなすところからの論。

 

『三国地誌』は、八雲御抄の「あなしの風とは乾の風を云」により、当社が伊賀国の乾(西北)にあることから穴師の社号になったとします。

社名に関して、延喜式神名帳においては、金剛寺本・九条家本は「穴石」で「あないし」と訓じ、吉田家本は「穴師」で「あなし」と訓じています。

いずれにせよ、現在の社名は穴石で「あないし」と読んでいます。

御朱印

御朱印の有無は不明。

アクセス

名阪国道を壬生野ICで降り北上。

阿山中学校前交差点(位置)で左折し県道674号へ。

1.4kmほど先(位置)で右折。そのまま道なりに行くと神社前へ。

参道正面からは車が入れず駐車場もありませんが、ちょっと東側の道から民家横を迂回していくと境内まで車で入れます(この辺りから脇道に入り、突き当りを左手へ)。

 

二の鳥居手前の広場に駐車可能。

神社概要

社名穴石神社(あないしじんじゃ)
通称
旧称天津社
住所三重県伊賀市石川2291
祭神

木花佐久夜比売命

天津児屋根命

天長白羽命

天香香背男命

現祭神

素盞嗚神

『特選神名牒』

古佐麻豆智命

『三重県神社誌』
合祀

天津児屋根命

市杵島比売命

宇迦能御魂命

火産霊神

弥都波能売神

大山祇命

武甕槌命

経津主命

健速須佐之男命

仁徳天皇

社格等

式内社 伊賀国阿拝郡 穴石神社

日本三代実録 貞観元年正月廿七日甲申 穴石神 従五位下

旧村社

札所等
御朱印不明
御朱印帳
駐車場境内駐車可
公式Webサイト
備考

参考文献

  • 「穴石神社」, 『日本歴史地名大系』(データベース「JapanKnowledge」)
  • 「穴石神社」, 神社本庁教学研究所研究室編『平成「祭」データ(CD-ROM)』全国神社祭祀祭礼総合調査本庁委員会, 1995
  • 式内社研究会編『式内社調査報告 第六巻 東海道1』皇學館大学出版部, 1990
  • 三重県神職会編『三重県神社誌 第2』三重県神職会,1922(国会図書館デジタルコレクション 249-256コマ