足坏神社。
静岡市葵区足久保奥組に鎮座。
式内社 足坏神社に比定される神社。
境内
社前の鉄板の橋(ちょっと怖い)
社頭
鳥居
境内から鳥居
境内
社前を流れる足久保川
社殿
拝殿
扁額
本殿覆屋
本殿
『静岡県神社志』には境内社として山神社、白髭神社、大国社、天神社が挙げられていますが、本殿左の小祠に合祀されているのでしょうか(境内には見当たりませんでした)。
社務所?
由緒
伝承によれば創建は霊亀元年(715)3月。
延喜式神名帳にみえる「駿河国安倍郡 足坏神社」に比定される神社。
『駿河国式社備考』は、諸郡神階帳にみえる正五位下葦付天神を式内足坏神社に当てつつ、当社がそれであることに確たる証拠はなく、足久保村小名粟島天神小祠、同小名相沢天神小祠、同小名長島天神小祠二所の4社を他の論社として挙げています。しかしいずれの天神小祠も現在は確認できず。
現在、社名の足坏は「あしつき」と読まれますが、『神名帳考証』『神名帳考証土代』は「あべ」と読む説を挙げています。
元は足久保奥組粟島と足久保小学校の中間の地(今の粟島公民館周辺か?)に東向きに鎮座しており、いつの間にか現在地に遷ったといわれます。
白髭明神社、足都幾神社、葦付天神とも称されていたようです。
明治8年郷社列格。
祭神は蛭子大神。
『惣国風土記』の記述によるようです。
『神名帳考証』は阿倍臣の始祖である大彦命を祀るという説を唱えています。
なお当地足久保は静岡茶発祥の地ともいわれており(聖一国師が鎌倉期に中国から持ち帰った茶の種を当地に植えたのが始まりという)、静岡茶発祥地の石碑も建てられています(位置)。
御朱印
御朱印の有無は不明。
アクセス
静岡市中心部から安倍川右岸に渡り、県道29号を北上。
美和中学校北交差点(位置)で左折して足久保川沿いに進みます。
足久保小学校前を過ぎて少し先の分岐(位置)で足久保川を渡り、すぐ左折して集落の中を進みます。
民家が途切れた辺りでダートになりますが、そこから100mちょっと進むと冒頭の鉄板の橋があります。
駐車場はありませんが、ダートの路肩に停めておくのがよいかと思います。
神社概要
社名 | 足坏神社(あしつきじんじゃ) |
---|---|
通称 | – |
旧称 | 白髭明神社 足都幾神社 葦付天神 |
住所 | 静岡県静岡市葵区足久保奥組2007 |
祭神 | |
社格等 | 式内社 駿河国安倍郡 足坏神社 旧郷社 |
札所等 | – |
御朱印 | 不明 |
御朱印帳 | – |
駐車場 | なし |
公式Webサイト | – |
備考 | 往古は足久保奥組粟島と足久保小学校の中間の地に鎮座 |
参考文献
- 「足坏神社」, 神社本庁教学研究所研究室編『平成「祭」データ(CD-ROM)』全国神社祭祀祭礼総合調査本庁委員会, 1995
- 教部省編『特選神名牒』磯部甲陽堂, 1925(国会図書館デジタルコレクション 184コマ)
- 式内社研究会編『式内社調査報告 第九巻 東海道4』皇學館大学出版部, 1988
- 静岡県郷土研究協会『静岡県神社志』静岡県郷土研究協会, 1941
- 中村高平『駿河志料 第2編』静岡郷土研究会, 1930, p.143(国会図書館デジタルコレクション 148コマ)
- 伴信友『神名帳考証』(『伴信友全集 第一』国書刊行会, 1907-1909(国会図書館デジタルコレクション 123,124コマ)
- 明治神社誌料編纂所編『府県郷社明治神社誌料 上巻』明治神社誌料編纂所, 1912(国会図書館デジタルコレクション 915コマ)
- 度会延経『神名帳考証』(佐伯有義編『神祇全書 第一輯』思文閣, 復刻版, 1971.所収)